自賠責保険はいつ加入する?加入手続きや名義変更の流れを解説

初めて車を手にする人でも、「車を持ったら絶対に入らないといけない保険がある」という話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

その“絶対に加入しなればならない”のが「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)」です。

自賠責保険はいつ、どのタイミングで加入しなければならないのか、素朴な疑問を持つ人も多いでしょう。

一般的に自賠責保険の加入手続きを自分で行う必要はありませんが、場合によっては何らかの対応が必要となることがあるかもしれません。

今回は、知っておくと安心な自賠責保険の加入方法や名義変更の流れについて詳しく解説します。

自賠責保険は車体ごとに強制加入となる

自賠責保険は、法律で加入が義務づけられている保険です。“人”ではなく“車”にかける保険で、車1台所有するごとに1契約が必要となります。

とはいえほとんどの場合、車の購入先(ディーラーや中古車販売店など)で当たり前のごとく手続きが済まされるため、基本的にこちらが何か手続きをする必要はありません。

保険料の支払いについても、車を購入する際の諸費用の中に「自賠責保険料」としてあらかじめ組み込まれているケースが多く、別途支払い手続きが必要となることもありません。

自賠責保険はどの保険会社で加入しても、保険料や補償内容はまったく同じであるのが特徴です。そのため、特にこちらから申し出ない限り「保険会社を選ぶ」といった作業も必要ないでしょう。

そうした意味でも、自賠責保険=強制保険であることがいえるのです。

【車取得シーン別】自賠責保険に加入するタイミング

自賠責保険に加入しなければ、公道を運転することは法律上不可能となります。そのため、納車前に加入手続きが済まされているのが基本です。

自賠責保険に加入するタイミングは具体的にいつなのか、取得シーン別に見ていきましょう。

新車購入の場合

ディーラーで購入する新車は、車の購入契約が済んだら納車に向けてさまざまな手続きが行われます。運輸局でナンバーを取得する際の必要書類の中に「自賠責保険証明書」があるので、それまでに自賠責保険に加入する必要があります。

自賠責保険に加入しなければナンバーが取得できず、納車もできません。つまりナンバーを取得していれば、自賠責保険の加入手続きは完了していることにもなります。

中古車購入の場合

中古車の場合、購入時に車検が残っていれば自賠責保険の加入手続きをする必要はありません。ただし、納車前に名義変更だけは済ませておきましょう。

自賠責保険の保険期間が切れている場合、名義変更に加え「再加入手続き」が必要となります。基本的には販売店で対応してくれるので、指定された必要書類を用意しましょう。

新車とは違いすでにナンバーがつけられた中古車であっても、自賠責保険の手続きが完了しなければ公道を走れないため、原則納車ができません。

譲渡の場合

親や知人から車を譲り受けた場合は、中古車同様、車検切れでなければ名義変更だけで済みます。

車検切れの車を譲り受けたときは、自賠責保険の契約期間も過ぎていることが考えられます。その場合は、名義変更+再加入手続きが必要です。

譲渡の場合は、自分で再加入の手続きしなければならない点に注意しましょう。譲渡人(※譲渡した人。車の元の持ち主)と譲受人(※譲り受ける人。同車の新たな持ち主)、それぞれの印鑑が必要になるため、譲渡人の協力も必要になります。

すぐ乗れる状態で車が手元にあっても、自賠責保険の手続きが完了するまでは、くれぐれも運転しないように注意してください。

自賠責保険の加入の流れ

基本的には車を購入した販売店で加入手続きを済ませてもらえる自賠責保険ですが、自分で手続きを行うことももちろん可能です。

親戚が勤務する保険会社との付き合いなど、何らかの理由があって保険会社を自分で決めたいといったこともあるでしょう。その場合は車の購入時に、担当者にひとこと伝えておくと対応してくれるはずです。

ここでは、自分で自賠責保険に加入する際に知っておきたい流れについて解説していきます。

1.加入する保険会社を検討する

自賠責保険の提供をしている保険会社は、以下の10社です。

  • あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
  • AIG損害保険株式会社
  • 共栄火災海上保険株式会社
  • セコム損害保険株式会社
  • 損害保険ジャパン株式会社
  • 大同火災海上保険株式会社
  • 東京海上日動火災保険株式会社
  • 日新火災海上保険株式会社
  • 三井住友海上火災保険株式会社
  • 楽天損害保険株式会社

※参考:日本損害保険協会「自賠責保険取扱い会社」

 

この中から任意保険と同じ保険会社を選ぶのも良いでしょう。

任意保険と同じ会社であれば、万が一の保険金請求時の対応がスムーズにいきやすいといったメリットが挙げられます。

ちなみにどこで加入しても補償内容に変わりはないので「保険会社はあまり気にしない」という人は、

  • 自動車販売店(ディーラー、中古車販売店など)
  • 運輸支局
  • 自動車整備工場
  • カー用品店
  • 上記の表に記載した損保会社

上記いずれかの「損保代理店」に出向くことで、加入手続きを済ませることができます。

2.契約に必要な書類を用意する

自賠責保険の加入手続きには、車台番号や登録番号など、車の個体情報が分かるものが必要になります。

車検証(自動車検査証)があれば問題ありません。

3.保険期間を決める

加入時に、保険期間を決める必要があります。

基本的には車検と同じ時期に満期が訪れるように、新車の場合は3年(36ヶ月)、それ以外は2年(24ヶ月)を目安に保険期間を定めます。

以下、主な保険期間と保険料を記載したのでご参考にしてください。

2年の場合 3年の場合
24ヶ月 25ヶ月 36ヶ月 37ヶ月
自家用乗用車

(普通車)

20,010円 20,610円 27,180円 27,770円
軽自動車 19,730円 20,310円 26,760円 27,330円

※参考:自賠責保険ポータルサイト「主な車種・期間の保険料」

「スムーズに車検に通らなかった」などのトラブルを想定し、車検満了日+1ヶ月の猶予を設けた「25ヶ月」または「37ヶ月」での契約をおすすめします。

保険期間を決めたらその分の自賠責保険料を現金で支払い、加入手続きは完了です。

自賠責保険の新規加入は簡単に手続きができるので、その場で15分程度もあれば済むでしょう。ただ、電話やネットでの加入はできないことが多いため、代理店に出向く必要があります。

納車までの間に「自賠責保険証明書」が必要になる場合は、忘れずにディーラーに提出しましょう。

自賠責保険の名義変更の流れ

続いて、名義変更が必要になったときの流れについて見ていきましょう。

車を取得するタイミングで自賠責保険の名義変更が必要になるのは、主に「中古車を購入する場合」「車を譲り受ける場合」です。

特に親や知人から車を譲り受ける場合は、自分で名義変更の手続きをする必要があるため、流れを知っておくと安心できるでしょう。

1.加入中の自賠責保険の保険会社に問い合わせる

まずは、加入中の自賠責保険の保険会社を調べて、名義変更したい旨を電話で問い合わせます。その際「自賠責保険証明書」を手元に置くとスムーズです。

いきなり代理店に出向くことも可能ですが、保険会社によって対応が異なるため二度手間にもなりかねません。

2.必要書類を準備する

名義変更の内容や誰が手続きするかによっても用意するべき書類は異なりますが、基本的には以下の書類が必要です。

  • 自賠責保険証明書
  • 自賠責保険承認請求書(譲渡人・譲受人それぞれの押印あり)
  • 譲渡意思が確認できる書類(自動車売買契約関係書類など)
  • 本人確認書類(免許証など)

その他、場合によっては譲渡人の印鑑証明書や謄本などが必要になるケースがあります。

保険会社に問い合わせて、必要な書類をあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

3.郵送または代理店窓口に出向いて手続きをする

必要書類を用意したら、代理店窓口に出向いて手続きを済ませます。譲渡人・譲受人、どちらが出向いても手続きができます。また、行政書士などの代理人に依頼することも可能です。誰が手続きするかによって必要書類が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

保険会社によっては郵送での手続きも可能です。

ただし郵送の場合、保険会社によっては3週間ほど時間がかかるため、その間運転ができないことになります。(自賠責保険証明書を携帯せず運転した場合には罰則があります)

急ぎの場合は代理店窓口に出向いて、手続きを済ませるのがおすすめです。

自賠責保険の更新時期はいつ?

自賠責保険の更新時期は、車検と同時期であるケースが一般的です。

ディーラーや整備工場、ガソリンスタンドなどに車検に出して、自賠責保険の更新までまるごと依頼する場合は、特に気にしなくても問題はありません。

念のため確認したいときは、車検の見積書の中に「自賠責保険料(法定費用)」といった記載がないか見てみると良いでしょう。

保険会社を指定したい場合など、自賠責保険の更新手続きを自分でするという人は、忘れずに車検前までに更新を済ませましょう。「自賠責保険証明書」がないと車検に通過することができないため要注意です。

自賠責保険に加入せずに運転したときの罰則

自賠責保険は法律で加入が義務づけられている保険です。もし未加入のまま運転した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるうえ、免許停止処分にもなります。

気を付けたいのは、販売店に任せず自分で加入手続きをするケースや、車検切れと同時に自賠責保険が切れてしまうといったケース。正しい手順を踏んで確実に加入や更新手続きをしなければ、罰則の対象となるため注意しましょう。

また紛失などが原因で、自賠責保険証明書を所持せずに運転していた場合でも、30万円以下の罰金が科せられます。 万が一証明書を紛失した場合、速やかに保険会社に再発行依頼をしましょう。

自賠責保険の加入が済んだら任意保険も忘れずに

自賠責保険はいわゆる“強制保険”なので、特に自分で手続きせずとも、車の購入時に販売店側が対応してくれます。

しかし「任意保険」は、加入する保険商品や補償内容を自分で決めなくてはなりません。

万が一に備えて、納車日に間に合うよう、購入契約が済んだら速やかに任意保険も検討しましょう。

自賠責保険と任意保険の補償内容の違い

「自賠責保険に加入するのに任意保険まで本当に必要なの?」と疑問に思う人も多いかもしれません。

ドライバーが任意保険の加入も必要だとされる背景には、自賠責保険で受けられる補償範囲の狭さが挙げられます。

以下、自賠責保険と任意保険の補償内容の違いを簡単に記載したのでご覧ください。

補償内容 補償金額 保険料
自賠責保険 対人のみ ~4,000万円

(※介護を要する後遺障害1級の場合)

一律
任意保険 対人・対物

※人身傷害や車両保険などの補償も付帯可

~無制限 年齢や運転歴などの条件により異なる

自賠責保険で補償されるのは、相手側の身体に生じた損害のみで、車などの“物損”は補償の対象外となっています。それに対して任意保険では、モノに対する補償もカバーされます。

また自賠責保険は補償金額に上限があるのに対し、任意保険は「無制限」まで設定が可能です。このことからも任意保険は、自賠責保険の補償だけでは足りない部分を補う保険であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

完全介護状態など、場合によっては億単位の損害賠償が発生するケースも考えられます。万が一を想定した場合、自賠責保険の補償を上乗せする「任意保険」への加入は必須であるといっても過言ではないでしょう。

まとめ:自賠責保険&任意保険には必ず加入しよう!

ドライバーなら知っておきたい、自賠責保険の加入の流れについて解説しました。

自賠責保険は原則、車を購入した販売店にて納車前に加入手続きが済まされますが、何らかの理由があって自分で手続きをする場合は忘れずに加入しましょう。

また車を持つことが決まったら、あわせて任意保険も検討しておきたいところです。納車日が決まれば任意保険にも加入できるため、こちらも忘れずに手続きを済ませましょう。

自動車保険はどう選ぶ?比較のポイントや基本的な考え方を解説

いざ自動車保険検討しようとしたとき「保険の種類が多すぎてどう選べばいいか分からない!」と感じた経験はありませんか?

「よく分からないまま契約しているので、無駄な補償も含まれているかも……」という不安や疑問を抱えつつ、なんとなく自動車保険に加入している人もいるかもしれませんね。

“何を重視して選ぶのか”、考え方は人それぞれなので、“これがおすすめ”というのは、一概には言えません。

 

しかし自動車保険を比較する際の基本的な考え方や、選択に迷ったときの比較のポイントを押さえておくと、より自分に合った商品を選びやすくなるでしょう。

今回は、自動車保険を選ぶときの基本的な考え方や比較のポイントについて詳しく解説します。保険選びでお悩みの人は、ぜひ参考にしてください。

自動車保険商品は全部で何種類?

そもそも自動車保険の商品は全部で何種類あるのか、気になりませんか?

2022年10月現在、日本損害保険協会の会員となっている保険会社の中で、自動車保険を提供している会社は全部で17社あります。

さらに海外の損害保険会社など、日本損保協会の会員ではない保険会社の商品も合わせると、日本で契約可能な自動車保険は21種類にものぼります。

以下一覧にまとめたので、ぜひ比較の際の参考にしてください。

損保協会会員保険会社 商品名 契約形態
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 タフ・クルマの保険 代理店型
AIG損害保険株式会社 AAP(家庭用総合自動車保険) 代理店型
共栄火災海上保険株式会社 KAPくるまる 代理店型
セコム損害保険株式会社 セコム安心マイカー保険 代理店型
損害保険ジャパン株式会社 個人用自動車保険「THE クルマの保険」 代理店型
大同火災海上保険株式会社 DAY-GO! くるまの保険(個人用総合自動車保険) 代理店型 ※代理店があるのは沖縄県のみ
東京海上日動火災保険株式会社 トータルアシスト自動車保険(総合自動車保険) 代理店型
日新火災海上保険株式会社 ユーサイド(新総合自動車保険) 代理店型
三井住友海上火災保険株式会社 GK クルマの保険 代理店型
アクサ損害保険株式会社 アクサダイレクトの自動車保険 ダイレクト型
イーデザイン損害保険株式会社 自動車保険 ダイレクト型
au損害保険株式会社 au自動車ほけん ダイレクト型
SBI損害保険株式会社 SBI損保の自動車保険(個人総合自動車保険) ダイレクト型
セゾン自動車火災保険株式会社 おとなの自動車保険(セゾン自動車保険) ダイレクト型
ソニー損害保険株式会社 自動車保険 ダイレクト型
三井ダイレクト損害保険株式会社 総合自動車保険 ダイレクト型
楽天損害保険株式会社 ドライブアシスト ダイレクト型

 

損保協会非会員の保険会社 商品名 契約形態
AGC保険マネジメント株式会社 自動車保険 代理店型
CHUBB損害保険株式会社 家庭用自動車保険 代理店型
ニューインディア保険会社 NIA自動車保険 代理店型
チューリッヒ保険会社 スーパー自動車保険 ダイレクト型

参考:日本損害保険協会会員|各社の「くるまの保険」商品会員会社等一覧

 

また、保険会社によっては1社で数種類の自動車保険を展開しているところもあるため、それらも含めるとさらに選択肢が増えることになります。

自動車保険の比較方法。基本的な考え方は?

前述の通り、自動車保険には実に膨大な商品が存在しており、この中から自分に合った自動車保険を選び取るのは至難の業ともいえるでしょう。

ここで「なんのために自動車保険に加入するのか」を思い出してみましょう。

自動車保険は、事故が発生したときに起こりうる金銭的な問題を、スムーズに解決へと導くために必要となる保険です。

実際に事故が起きたとき、“どんなことで困る可能性があるか”といった視点から考えてみると、自分にとって必要な補償が見えてくるかもしれません。

似たような内容であっても、保険会社によって補償の内容が少しずつ異なることもあります。まずは複数の保険会社に見積もりを依頼して、各社の補償内容を知ることから始めるのがおすすめです。

“自分に合った補償”とは?考え方の一例を紹介

基本的な補償内容は同じでも、保険会社ごとに独自の特約やサービスを提供しながらそれぞれ差別化を図っています。

数あるサービスに惑わされず、本当に必要な補償を選び取るには「自分に合った補償」を考えることが大切です。

とはいえ、漠然と“自分に合った補償”と言われても、何が自分に合っているのか?すぐに思い浮かべるのは難しいかもしれません。

そんな人に向けて、ここでは“自分に合った補償”の考え方の一例を紹介します。

他に加入中の保険契約はあるか

保険に加入する際の大前提として「補償内容が被っていないか」を確認することは非常に大切です。

例えば自分のケガや死亡・後遺障害に備える「人身傷害補償」や「搭乗者傷害補償」は、生命保険医療保険に加入していれば、そちらからも補償されるケースが多くあります。

他に加入中の保険契約の内容を考慮して、補償が重複しないようにすると、効率よく保険料を抑えることができます。

事故の際、どういったトラブルが発生する可能性があるか

例えば自分の車に友人や会社の同僚、上司などの他人を乗せる機会が多いという人は、事故発生から即座に保険金が支払われる「搭乗者傷害補償」を付帯しておくと安心できるでしょう。

反対に「車には1人で乗ることが多い」「生命保険に加入している」という人は、搭乗者傷害補償を手厚くする必要はないことが考えられます。

また、遠方まで運転する機会が多い人であれば、そうでない人に比べて出先での事故やトラブルに巻き込まれる可能性が高くなるため、ロードサービスが充実した保険商品を選ぶと安心です。

このように、自分のライフスタイルや車の利用シーンと照らし合わせて、懸念されるトラブルに特化した補償を選ぶと良いでしょう。

契約する車は「コネクティッドカー」か

「コネクティッドカー」とは、ICT端末としての機能を持ち、常時インターネット接続がされた車のことをいいます。

位置情報を送受信できるため、例えば運転中のコネクティッドカーが衝撃を検知するとオペレーターへ自動で通知され、救急車やレッカー車の手配といったさまざまなサポートを即座に受けられるのが特徴です。

こうしたコネクティッドサービスと連動した保険商品は「テレマティクス保険」と呼ばれ、一部の保険会社から販売されています。

スムーズな事故対応が受けられるだけでなく、安全運転を心がけることにより保険料が安くなる可能性もある「テレマティクス保険」。コネクティッドカーのみならず、通信機能付きのドライブレコーダー搭載車などもテレマティクス保険の加入が可能です。

保険会社によっては通信機器を貸し出してくれるところもあるので、テレマティクス保険が気になる人は、検討してみてはいかがでしょうか。

自動車保険を比較する際の5つのポイント

“自分に合った補償の考え方”が分かったあとは、5つのポイントを押さえて自動車保険を比較していきましょう。

1.契約方法で比較する

代理店を通した契約、いわゆる「代理店型」の保険か、直接保険会社と契約する「ダイレクト型」の保険か、まずは契約方法で比較してみましょう。

代理店型のメリットは、担当者と対面で補償内容を相談しながらじっくり決められる点や、代理店によっては事故時の保険会社とのやりとりを担当者に任せられる点などが挙げられます。

ダイレクト型のメリットは、代理店を通さない分の保険料が抑えられる点です。インターネット上から気軽に契約できる点も、忙しい人にとってはメリットとなるでしょう。

2.保険料で比較する

自動車保険を選ぶ際、“保険料の安さ”で比較するのも良いでしょう。

複数社から一括見積りをとることで、保険料の比較がしやすくなります。

保険料の安さを重視して比較する際は「補償内容と保険料のバランス」も忘れずにチェックしましょう。特に相手方への補償(対人・対物)が低くなりすぎないよう、注意が必要です。

3.補償内容で比較する

基本的な補償は、どの保険会社もさほど変わりはありません。

しかし中には重視したい補償が自動付帯になるケースとそうでないケースなど、保険会社によって補償内容が異なることがあります。

どんな補償が自動で適用されているのか、その中に不要な補償はないかをチェックするのも大切です。

「自分にとって必要な補償」が契約に含まれているかどうかも、忘れずに確認しましょう。

4.事故時の対応力で比較する

事故発生時の保険会社の対応力は重視しておきたいポイントです。

例えば以下のような観点から、どのようなサポートが受けられるかを確認できます。

  • 事故対応は24時間365日受け付けているか(深夜・早朝の事故も即座に受け付けてくれるか
  • ロードサービスの内容は充実しているか(レッカー車の手配までしてもらえるのか、レッカー費用を負担してくれるだけなのか、など)

また「ロードサービス」「ロードアシスト(アシスタンス)」でサービスの内容が異なる点にも注目してみてください。

5.口コミや利用者の評判で比較する

実際に事故時の対応を経験した人の口コミから判断するのもひとつのポイントです。

クレームばかりを目にする保険会社など、不信感のある保険会社は避けたほうが無難かもしれません。

評判をリサーチする際は、日本損害保険協会に寄せられた苦情件数やクレームの内容を参考にするのも良いでしょう。

知っておきたい特約の種類

基本補償に加えて「特約」といういわゆるオプションの補償を付帯することで、より補償を充実させることができます。

特約の種類もまた膨大で、その数は100種類以上にものぼるといわれています。

保険会社ごとに独自の特約が設けられていることも多く、特約を知り尽くすのもまた困難かもしれません。

ここでは、最低限知っておきたい自動車保険の特約を3つのカテゴリに分けて紹介します。

保険会社によっては自動付帯となる特約

まずは、自動で付帯されることが多い特約について、よくあるものを見ていきましょう。

名称 概要
自損事故保険 単独事故を起こした際に補償が受けられる保険。
無保険車傷害保険 任意保険に未加入の相手との事故や、当て逃げ事故など相手が特定できない場合、損害賠償が補償される保険。
ロードサービス 事故や故障などのトラブルにより車が走行不能となったときに、レッカー移動の費用などが補償される特約。

これらは契約に自動で付くケースが多いものの、保険会社によってはオプションになることがあります。

保険会社特有のユニークな特約

続いて、一部の保険会社にしか見られないユニークな特約を見てみましょう。

名称 概要
事故現場駆けつけサービス 保険会社と提携する警備会社の警備員が事故現場に駆けつけ、事故対応の助言などサポートをしてくれるサービス。
ドラレコ特約 保険会社から通信機能付きのドライブレコーダーを借りられる特約。事故の際、ドラレコの記録が保険会社に共有されるのが特徴。

特に「事故現場駆けつけサービス」は、保険会社によっては自動付帯される特約なので、気になる人はチェックしてみると良いかもしれません。

付けると安心な特約

最後に、数ある特約の中でも「これを付けておけば安心」な特約を3つピックアップしました。

名称 概要
弁護士費用補償特約 こちらが被害者となったとき、弁護士への相談費用や書類作成費用などの補償が受けられる特約。
個人賠償責任補償特約 日常生活のトラブルにより生じた損害賠償が補償される特約。自転車事故による損害賠償も対象となる。
ファミリーバイク特約 原付バイク使用時に生じた事故に関して補償が受けられる特約。原付バイク保有者は加入がおすすめ。

他にもさまざまな特約が挙げられますが、自分が欲しい特約を提供する保険会社の中から選ぶと、選択肢も絞れるでしょう。

ライフスタイルや家族構成などを考慮しつつ自分に合った特約を選びとり、必要な補償を充実させるのがおすすめです。

1日保険やドライバー保険って?任意保険との違いは?

自動車保険の中には、通常の任意保険の他に「1日保険」「ドライバー保険」などの保険商品もあります。

ここでは任意保険との違いに加え、それぞれ適している人の特徴を解説します。

任意保険が適している人

自分の車を保有している人は一般的な任意保険への加入が適しています。

車の買い替えや車自体を手放す予定のある人も、車を保有している間は任意保険に加入しましょう。

1日自動車保険が適している人

自分の車は保有しておらず、別居中の家族(父母など)や友人の車をたまに運転するという人は「1日保険」への加入がおすすめです。

ドライバー保険が適している人

長期間(1年単位)他人の車を借りて運転する機会のある人は、ドライバー保険に加入すると安心です。

ドライバー保険に加入しておけば、いざというとき相手の車に紐づけられた自動車保険を使わずに補償を用意することができます。

車を借りる相手の保険を利用して等級を下げることになると迷惑をかけてしまいかねないため、他人の車を借りる際はドライバー保険への加入をおすすめします。

カーリースの場合、適しているのは「カーリース専用任意保険」

カーリースはリース会社名義の車を借りることになるので、ドライバー保険が適しているかのように思う人もいるかもしれません。

しかしカーリースの場合、「カーリース専用任意保険」に加入するのが最適です。

ドライバー保険だと車が損傷した際の補償が受けられないため、満期後に車を返却する仕組みのカーリースには向いていません。

共済と任意保険の違いは?

今回、民間の保険会社が提供する自動車保険について紹介してきましたが、「こくみん共済」や「県民共済」といった自動車共済を検討するのも良いでしょう。通常の任意保険と比べて、基本補償に大きな違いはありません。

ただし、共済の種類によっては等級を引継げないこともあるため注意が必要です。

また特約の種類に関しても、任意保険に比べると少ないと感じるかもしれません。

「必要な補償を用意できるか」も考慮して検討すると良いでしょう。

まとめ:まずは見積もりをとって自動車保険を比較しよう!

2022年10月現在、日本国内で加入できる自動車保険の商品の種類は20種類以上にも及びます。その中から自分に合った保険に加入するためには、「何を重視して選ぶのか」を考えて比較するのがおすすめです。

ライフスタイルや車の利用シーンなどを想定して、事故が起きた際どういった場面でお金がかかるのか考慮しながら、必要な補償を選ぶと良いでしょう。

それを踏まえた上で「代理店型かダイレクト型か」「保険料の安さはどうか」「補償内容は自分に合っているか」「保険会社の事故対応力はどうか」「評判はどうか」といったポイントを押さえて比較していくと、よりスムーズに選びやすくなるかもしれません。

まずは複数の保険会社から見積もりをとって、各社の補償内容などを比較することから始めましょう。

よくわかる自動車保険!自賠責保険と任意保険の違いや補償内容を解説

ドライバーなら必ず知っておきたい「自動車保険」

しかし初めての自動車保険は難しいといった印象を抱く人が多いのではないでしょうか。

「自動車保険ってそもそも強制加入なの?」
「若い人は保険料が高いって聞いたけど……」
「見積もり取ってみたけど補償内容がさっぱり分からない!」

さまざまな声が聞こえてきそうです。

補償内容や商品の種類、保険料の仕組みなど、自動車保険を100%理解しようとするのはなかなか難しいかもしれません。さらに差別化を図ろうと、保険会社ごとに独自の補償やサービスなどが用意されていることもあり、保険の内容はますます複雑化しているように思います。

そこで今回は“初めてでもよく分かる自動車保険”をテーマに、最低限知っておきたい「自賠責保険と任意保険の違い」「補償内容」「保険金額の目安」「保険料の仕組み」「加入方法」までを詳しく解説します。

自動車保険の目的とは

なぜ自動車保険に入る必要があるのでしょうか。まずは自動車保険の目的について考えてみましょう。

車を運転する以上、交通事故に遭うリスクは少なからず生じます。自分が事故の加害者となるケースもあれば、被害者となるリスクも想定されるでしょう。どんなに安全運転を心がけていても、完全に事故のリスクを回避するのは難しいものです。

そして万が一事故が起きてしまったとき、相手方への損害賠償や自分が負傷した場合の治療費など、さまざまなシーンにおいて金銭的な負担がのしかかることになります

そうした金銭面の負担を軽減してくれるのが、自動車保険の役割です。

では実際に事故が起きたとき、どういったことにお金がかかるのでしょうか。具体的に3つのケースが挙げられます。

1.事故の相手に支払う賠償金

自分が事故の加害者となった場合、相手方に支払うのが「損害賠償金」です。損害賠償には主に2種類があります。

  • 人に対する損害賠償(ケガの治療費、休業補償、慰謝料など)
  • モノに対する損害賠償(車、家屋、ガードレールなど)

例え相手の不注意が引き起こした事故であっても、過失がこちらにもあると認められてしまえば、相手方に損害賠償金を支払う必要性が生じます。そうした事故が多くあるのも現状です。

2.自分や同乗者が負傷した場合の補償

交通事故により、自分自身や同乗していた家族が負傷した場合は入院・通院などの治療費がかかります。万が一死亡に至った場合は残された家族の生活費や、自分の葬儀費用なども必要になってくるでしょう。

また同乗者が友人など他人であった場合は、負傷の度合いによっては休業補償や逸失利益などを支払わなければならない可能性もあります。

3.自分の車が損傷した場合の修理代や車の買い替え費用

車を運転しているときに事故が起きたということは、少なからず自分の車もダメージを受けているはずです。損傷の度合いにより、修理になれば修理費用がかかり、買い替えが必要となれば新しい車の購入費用が必要になります。

こうした“万が一”に備えるために加入するのが、自動車保険の目的です。

自動車保険には2種類ある

自動車保険には、強制加入の「自賠責保険」と任意加入の「任意保険」の2種類があり、それぞれ補償の目的や内容が異なります。詳しく見ていきましょう。

1.自賠責保険(強制加入)

自賠責保険はいわゆる強制加入の保険です。交通事故による被害者を救済する目的の保険で、法律によって加入が義務付けられています。自動車購入時(※厳密には自動車検査時)、必ず加入しなければならない保険なので、車を持っている人は全員加入しているはずです。

基本的に、2年に一度(新車の場合、初回のみ3年に一度)の車検のタイミングで更新し、決められた自賠責保険料を支払います。

自賠責保険の補償内容は以下の通りです。

死亡の場合 最大3,000万円
ケガの場合 最大120万円
後遺障害の場合、程度に応じて 75万円~最大4,000万円

自賠責保険は人身傷害のみ補償の対象となっており、相手の車などの物損は補償の対象外です。また任意保険に比べて支払い基準が厳しいことでも知られています。

例えば後遺障害で限度額の4,000万円の支払いが認められるのは、常時介護を要する「後遺障害等級1級」と認定されたときに限られています。

2.任意保険(任意加入)

加入義務のある自賠責保険とは違い、加入は「任意」のため、加入の判断はドライバーに委ねられています。任意保険には加入しなくても罰則はありません。

しかし前述の通り、自賠責保険からは相手方への人身傷害しか補償が受けられず、限度額も死亡の場合で3,000万円までといった非常に範囲の狭い補償内容になっています。そのため、自賠責保険では足りない補償を任意保険でカバーするのが、理想の自動車保険のカタチであるといえるでしょう。

任意保険は、契約の形態が「対面」なのか「インターネット」で完結するのかによって、大きく2種類の商品に分類されています。

代理店型自動車保険

いわゆる対面販売の「代理店型自動車保険」は、代理店を通して契約する保険商品です。

代理店の担当者が対面で加入手続きを進めてくれるので、保険について詳しくない人でも疑問を解消しながら契約まで進めやすいのがメリットだといえるでしょう。

代表的な保険会社

  • 東京海上日動火災保険
  • 損保ジャパン
  • 三井住友海上火災保険
  • あいおいニッセイ同和損害保険 など

ネット型自動車保険

「ダイレクト型」「通販型」とも称される「ネット型自動車保険」は、インターネット上から保険の加入手続きができる保険商品です。

代理店を通さず契約できるため、代理店の販売手数料がかからない分、保険料を抑えられる可能性があります。

代表的な保険会社

  • ソニー損保
  • 三井ダイレクト損保
  • SBI損保
  • アクサ損害保険 など

任意保険の具体的な補償内容

自賠責保険はあらかじめ補償内容が決められていますが、任意保険は数ある補償の中から必要な補償を組み合わせて、自分に合った保険をカスタマイズすることができます。

主に「相手方への補償」「自分や同乗者に対する補償」「自分の車に対する補償」の3つに分けられています。

主な補償内容 名称 概要
相手方への補償 対人賠償責任保険 相手が死傷したときの損害賠償金が補償される保険
対物賠償責任保険 相手の車や家屋、電柱やガードレールなどが損傷したときの損害賠償金が補償される保険
自分や同乗者に対する補償 人身傷害保険 契約中の車に乗っている人(自分を含む)が死傷したとき、治療費や逸失利益などの補償が受けられる保険
搭乗者傷害特約 契約中の車に乗っている人(自分を含む)が死傷したとき、あらかじめ定められた金額が受け取れる保険
自損事故保険(特約) 相手のいない事故(単独事故)で同乗者(自分を含む)が死傷したとき、補償が受けられる保険
無保険車傷害保険(特約) 事故の相手が任意保険に未加入であった場合や補償が十分でなかった場合に、補償が受けられる保険
自分の車に対する補償 車両保険 契約中の車が事故により損傷したとき、修理費や買い替え費用が補償される保険

保険会社によって名称が変わったり、補償内容が若干異なることがありますが、基本的には上記の内容で成り立っています。

またその他にもさまざまな特約を付帯することで、さらに補償を充実させることが可能です。特約の内容もまた、保険会社ごとに異なる場合があります。

【主な特約】

  • 弁護士費用特約
  • ファミリーバイク特約
  • 個人賠償責任補償特約 など

保険金額を設定する際の目安が知りたい!

いざ見積もりに進んでみると「設定する保険金額によって保険料が違うけど、一番安いプランを選んでもいいのかな……?」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。

主に「対人・対物賠償」「人身傷害」「搭乗者傷害」「車両保険」の部分で保険金額を設定できるケースがあります。基本条件として、保険金額を高く設定すればその分保険料は高額になり、反対に保険金額を低く設定するとその分保険料を抑えることができます。

しかし保険料を安くしたいあまり保険金額を低くしすぎると、いざというときに十分な補償が受けられず保険に加入していた意味すら為さなくなる、といった事態にも陥りかねません。

適切な補償を用意するべく、ここでは補償別に最低限備えておきたい保険金額を一覧表にまとめました。

主な補償内容 名称 保険金額の目安
相手方への補償 対人賠償責任保険 無制限
対物賠償責任保険 無制限
自分や同乗者に対する補償 人身傷害保険 3,000万円
搭乗者傷害特約 なし~1,000万円
自損事故保険(特約) - ※自動付帯のケースが多い
無保険車傷害保険(特約) - ※自動付帯のケースが多い
自分のクルマに対する補償 車両保険 - ※時価により決定される

基本的に相手方への補償は、対人・対物ともに「無制限」で設定することをおすすめします。ここを低くすると、損害賠償金が保険で賄いきれない可能性もあり、相手方とのトラブルに発展しかねないからです。

少しでも保険料を抑えたいときは「自分や同乗者に対する補償」での調整を検討しましょう。

車両保険の保険金額は時価の範囲内でしか決められないため、保険料の兼ね合いで悩むとすれば「車両保険を付けるか否か」になると思います。例えば中古車に乗っている場合は、事故により車が損傷しても車両保険で買い替え費用が賄えない可能性が高いため、車両保険は付けないといった選択肢が考えられます。

自動車保険の保険料はどう決まる?

いざ見積もりを出してみると、同じような内容でも保険会社によって保険料の差が大きく、驚く人もいるかもしれません。自動車保険の保険料は、果たしてどのような条件をもとに決められているのでしょうか。

自動車保険の保険料は「純保険料率」「付加保険料率」の2種類の料率をもとに算出されます。

その中でも純保険料率は、「損害保険料率算出機構」が算出する数値を参考に、各保険会社が独自に設定しています。

保険料を左右する条件には、以下のような項目が挙げられます。

【契約者の条件】

  • 年齢
  • 免許証の色
  • 事故の有無
  • ノンフリート等級
  • 運転者の範囲

【車の条件】

  • 車種
  • 型式
  • 年式

【その他】

  • 走行距離
  • 使用目的
  • 使用地域

「付加保険料率」については、保険会社が事業を行っていく上で必要な経費などを各保険会社が独自に算出し、保険料に上乗せされるといった仕組みです。

結局どの補償を選べば良いか分からないときは……?

特に初めての契約で、内容を理解しないままあれこれ特約を付けるなどして気付いたら保険料がかなり高額になってしまった、なんて経験はありませんか?

迷ったときは、最低限必要となる相手方への補償2つ(対人賠償と対物賠償)と、自分や同乗者に対する補償(人身傷害)さえ押さえておけばOKです。

車両保険は、契約する車が新車の場合や、免許取り立てで運転に自信がない場合など、心配な人は付けた方が安心かもしれません。

車両保険を付けて保険料が割高になるのを少しでも避けたいときは「免責」を設定するのがおすすめです。修理費用を保険で賄うことになったとき、あらかじめ設定した免責金額のみ自腹で負担する必要がありますが、その分保険料が抑えられます。

よくある免責金額は「5万円」または「10万円」です。

“いざというときこの金額を支払えるかどうか?”、貯金額と相談して決めましょう。

自動車保険の加入方法

自動車保険の加入方法は、主に3パターンが挙げられます。

  1. 保険代理店で契約
  2. インターネットで契約
  3. ディーラーで契約
    ※厳密にはディーラーも保険代理店に当てはまります。

保険代理店またはディーラーでの契約とインターネット上での契約、2つの違いは「保険料」です。

代理店を通して保険契約をした場合、販売手数料が保険料に上乗せされるため、その分保険料が割高になるケースがあります。

事故時の対応や補償内容に大きな違いはないため、「保険料を少しでも安く済ませたい」「面倒な手続きの負担を軽減したい」といったご自身の要望に応じて決めると良いでしょう。

自動車保険に加入するタイミングは?

初めて自動車保険に加入する人の中には、保険に加入するタイミングが分からない人もいるのではないでしょうか。基本的には、納車日が決定した段階で早めに自動車保険の加入を検討し始めるのが良いでしょう。

「納車前に加入したら無駄な保険料が発生するのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、そのような心配はいりません。

自動車保険は保険会社によって、最大90日後まで保険始期日(補償が開始される日)を設定することができます。肝心の保険料は保険の始期日から支払うことになるため、保険料が無駄になることはありません。

自動車保険 Q&A

ここからは、自動車保険の加入を考える人が抱きやすい、よくある疑問をQ&A形式で解説していきます。

Q.任意保険は保険料が高いし、自賠責保険にも入っているから加入しなくても大丈夫?

特に年齢が若いうちは運転歴が浅いことも相まって保険料が高額になりがちです。加入しよう!と意気込んで見積もりをもらったのに、あまりの金額に驚いて任意保険に入る気を失くした……。なんて人もいるかもしれません。

しかし、だからといって「任意保険に加入しない」といった選択肢は避けたいところ。

補償内容を最低限に抑えたり、年払いから月払いにしたりと、無理なく保険料を支払えるように工夫しつつ保険に加入することが大切です。

Q.2台以上車を持っている場合でも、1契約あれば良い?

自動車保険は、車1台につき1契約が原則です。

2台以上車を所有している場合、保険料が割引になるケースもあるので活用すると良いでしょう。

また勘違いしやすいのが「自動車保険に入っているから友達の車を借りて運転しても大丈夫?」というケース。この場合、答えはNOになります。

契約は車ごとになるため、契約した車以外で事故を起こした場合は原則として補償の対象外になります。また車を乗り換える際にも、保険会社への連絡が必要になります。

Q.月払いと年払い、どちらの方がお得?

結論から言えば、月払いよりも年払いの方が保険料がお得になります。

しかし、年払いだと一括で支払わなければならないため、保険料が10万円前後の高額となった場合、無理せず月払いを選択するのもひとつの手段です。

Q.車を買い替えたり、保険会社を変えたりしたら、等級はどうなる?

等級が上がれば保険料は下がっていくので、車の買い替えや保険会社を乗り換えるたびに等級が1からになってしまったら悲しいですよね。

車を買い替えても保険会社を乗り換えても、きちんと手続きをすれば等級は引き継がれるので安心してください。また一度車を手放しても「中断証明書」を発行しておけば、再び車を購入した際に以前の等級を引き継げるといった制度もあります。

Q.保険料はネット型保険の方が絶対に安くなる?

代理店型は対面での販売手数料がかかる分、ネット型よりも保険料が割高になるケースが多く見られます。しかし、絶対にネット型自動車保険の保険料が安いかと言われたら、そうとも限りません。

また保険料を月払いにしたい場合、ネット型はクレジットカードの分割払いでしか対応できないこともあるため注意が必要です。

保険料を少しでも抑えたいと考えている人は、複数社に見積もりを依頼して検討することをおすすめします。

まとめ:車を持ったら自動車保険に加入しよう!

自動車保険には、強制加入の「自賠責保険」と任意加入の「任意自動車保険」の2種類があります。

自賠責保険だけではいざというときの補償が不足する可能性が高いため、万が一に備えるべく任意保険への加入も必須と言って過言ではないでしょう。

ひとくちに“自動車保険に加入する”といっても、補償内容はどんな形にするか、保険会社はどこを選ぶかなど決めることが盛りだくさんなので、契約を億劫に感じる人も多いかもしれません。

ひとまず補償に関しては最低限「相手方への補償は無制限に」「人身傷害補償を付ける」「新車の場合は車両保険を付ける」の3点さえ意識しておけば、難しいことは考えなくても大丈夫です。

まずは見積もりを取り、比較してみることから始めてみましょう。

2台目の自動車保険を安くするには?保険料の節約法を解説

「2台目の車を買う予定だけど、自動車保険はどうすればいい?」

「2台も自動車保険を契約するなら、何かお得な割引があるのでは?」 

という疑問をお持ちではないでしょうか?

そこで、本記事では2台目の自動車保険を安くする方法について解説します。

2台目の自動車保険では、さまざまな割引が活用できます。しかし、2台目の自動車保険の契約を何も考えず決めてしまうと、割引の制度を使わずに損してしまいかねません。

自動車保険で無駄な保険料を払わないためにも、ぜひ最後までご覧ください。

2台目の自動車保険は別の会社で契約してはいけない?

2台目の自動車保険は、1台目の保険会社とは別の会社で契約しても、問題はありません。

条件によって、保険料が安くなる会社は異なります。1台目とは別の会社で契約した方が、保険料が安く済む可能性はあります。

また、セカンドカー割引を利用すれば、別の保険会社でも割引が適用されます。

 

セカンドカー割引とは

セカンドカー割引とは、一定の条件を満たせば、2台目の自動車保険料が安くなる制度のこと。「1台目の車が11等級以上である」といったように、適用にはいくつか条件があります。詳細は、以下の記事で解説しています。

https://sonpo.jitensha-hoken.jp/secondcar_-discount/

 

通常、自動車保険を新規で契約する際は、ノンフリート等級は6等級からスタートします。しかし、セカンドカー割引を利用すれば、2台目の車は1つ上の7等級からスタートする事が可能です。

等級が上がるほど、自動車保険は安くなります。そのため、1つ上の等級からスタートすると、その分保険料も安くなります。

セカンドカー割引のメリット:割引率の大きさ

セカンドカー割引の最大のメリットは、割引率が大きいことです。

以下の表は、新規で自動車保険を契約した場合の、6等級と7等級の保険料の違いを示しています。

年齢条件 6等級 7等級
全年齢補償 28%(+) 11%(+)
21歳以上補償 3%(+) 11%(-)
26歳以上補償 9%(-) 40%(-)
年齢条件対象外 4%(+) 39%(-)

※(+)が割増、(-)が割引を表しています

(引用:損害料率算出機構|自動車保険参考純率改定説明資料

たとえば「26歳以上補償」では、割引率が6等級で9%、7等級で40%と大きく差があります。自動車保険料がもともと年間30,000円だとすれば、6等級で27,300円、7等級で18,000円になります。

条件をチェックして、当てはまっていれば、セカンドカー割引を利用してみましょう。

セカンドカー割引のデメリット:補償の重複に注意

セカンドカー割引で注意しなければならないのは、補償の重複です。補償の重複とは、複数の自動車保険を契約する際、補償の内容が重複することを指します。

たとえば、人身傷害保険を契約していて、車外での事故を補償している場合を考えてみます。

1台目と2台目の両方に車外での補償を付けていたら、車外での補償が二重に付いていることになるため、車外の補償分は保険料を支払う必要がありません。これが、補償の重複です。

 

ちなみにこの事例で補償の重複を避けるには、片方の人身傷害保険を「車内のみ補償」とします。そうすれば、保険料に無駄が生じません。

補償の重複が発生していると、その分、補償に繋がらない保険料を支払っていることになります。代理店で契約する場合は、担当者に確認すれば補償の重複を指摘してもらえます。注意したいのは、インターネットから自分で手続きするダイレクト型の場合。注意喚起はありますが、最終的には保険の重複がないかどうか自分で確認する必要があります。ダイレクト型で加入する方は、特に気を付けて確認しましょう。

家族内で2台目なら等級の引継ぎも

家族内で2台目の車を持ち、自動車保険の契約をするなら、等級の引継ぎが可能です。等級の引継ぎとは、家族内で等級の高い人から、等級の低い人へ等級を引き継ぐこと。等級の引継ぎは、配偶者か同居している親族であれば可能です。

等級の引継ぎがよく使われる場面は、免許を取ったばかりの子が、親から等級を引き継ぐケースです。この場合、親の等級を子に引き継いで、親は新規で自動車保険に加入します。そうすれば親の等級は低くなってしまいますが、子の等級が上がり、保険料も減額。結果として、年齢条件の緩い親が低い等級になっても、トータルで見ると保険料を安くできます。

 

年齢条件とは、保険の対象となる年齢の制限のことです。前述した表のように「全年齢補償」「26歳以上補償」など、年齢によって保険料に差が出てきます。一般的に交通事故は年齢が若い人ほど起こしやすいと言われており、若い人を補償する年齢条件のもとでは、保険料が高くなります。もちろん年齢条件に該当しない人は、補償が受けられません。

 

また、等級の引継ぎとセカンドカー割引を併用すれば、さらに安くなります。つまり、セカンドカー割引で7等級からスタートしたうえで、等級を引継ぐことが可能です。ただし前述した通り、セカンドカー割引は適用に条件がありますので、条件については別記事をご覧ください。

同じ保険会社なら、さらに割引がある場合も

1台目と2台目が同じ保険会社なら、さらなる割引やキャンペーンが適用される場合があります。保険会社によって補償の内容や条件は異なりますが、セカンドカー割引に加えて独自の割引が使えます。

たとえば、2台目を契約すると保険料が1,000円引きだったり、2,000円相当のギフトがもらえたりと、内容はさまざまです。

 

また、制度名も「複数契約割引」「マルチオーナーシップ割引」など、保険会社が独自の名前を付けています。いずれも、自分や同居する家族が保険に加入すると、1台目や2台目の車に割引が適用されます。

保険会社によって、独自の割引の有無は異なります。また、後述の通り、別会社と契約した方が安くなる可能性がありますので、2台目以降の車を検討している方は、まず契約している保険会社に割引があるかを確認してみるのがおすすめです。

2台目は別の保険会社の方が安い可能性も

1台目と同じ会社だとさらに割引やキャンペーンが適用される可能性があると解説しました。しかし、必ずしも同じ会社で契約した方が、保険料が安くなるわけではありません。2台目の自動車保険は、別の保険会社の方が安い場合もあります。

1台目と同じ会社で契約した場合に適用される、割引やキャンペーンの内容を確認してみましょう。割引やキャンペーンがあるとはいえ、その内容次第では、別会社で契約した方が結果的に安いこともあります。

 

人や車の条件によって、どこの保険会社が安くなるかは異なってきます。気になっている自動車保険で、見積もりを取って比較してみましょう。自動車保険の一括見積もりサービスを利用してみるのもおすすめです。

また、1台目と別の保険会社で契約しても、等級の引継ぎができなくなることは基本的にありません。気になる方は、保険会社へ確認してから契約することをおすすめします。

まとめ

今回は、2台目の車の自動車保険の割引について、以下の内容を解説しました。

  • 2台目の車の自動車保険では、セカンドカー割引が使える
  • 2台目以降の自動車保険の契約では、補償の重複に注意
  • 家族内では等級の引継ぎができる
  • 同じ保険会社か、違う保険会社か、どちらがお得かは車や人の条件による

車の維持にはお金がかかります。維持費の一つである自動車保険も、できるだけ節約することが望ましいです。

なるべく安い保険料で、望んだ補償が受けられる自動車保険を見つけ、万が一に備えましょう。

人身傷害補償特約とは?補償内容や搭乗者傷害との違いについて解説

自動車保険において基本の補償となる「人身傷害」。保険会社によって「人身傷害保険」や「人身傷害補償特約」などさまざまな呼び方があります。事故による損害が生じた場合、自分を含む同乗者のために使われる保険です。

しかし「保険金額をいくらに設定すれば良いのか?」「搭乗者傷害保険との違いは何か?」と悩む人は多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は人身傷害補償特約について、補償の内容や考え方、搭乗者傷害との違いを詳しく解説していきます。いつもなんとなく保険金額を設定しているという人は、ぜひ参考にしてみてください。

人身傷害補償とは?

自動車事故により、自分や同乗者がケガや死亡・高度障害を負ったとき、事故の過失割合に関係なく、人身傷害補償特約から補償が受けられます。自動車保険の基本補償として初めから付帯されていることが一般的です。

人身傷害補償の特徴は、「示談交渉を待たずに保険金を受け取れる」こと。実損額さえ決まれば保険金を受け取れ、さらに翌年以降の等級が下がらない点は大きなメリットだといえます。

万一の際に受け取れる保険金額は、最低3,000万円から無制限まで、契約者が自由に決められます。

 

また補償の範囲によっては、運転中の事故に限らずすべての自動車事故において補償を受けることも可能です。

相手側の自賠責保険や任意保険から補償がおりる場合にはそちらから優先して保険金が支払われ、こちらに過失割合があるといった理由で補償が足りない場合のみ、人身傷害補償から補償を受けます。

人身傷害の補償内容

人身傷害補償では、自分を含む同乗者全員のケガや死亡時などにおいて、過失割合に関係なく「実損額」が支払われます。具体的な補償内容は以下の通りです。

  • ケガの治療費
  • 休業損害
  • 精神的損害(慰謝料)
  • 死亡・高度障害の場合の逸失利益(※) など

(※)逸失利益とは・・・事故に遭わなければ得られていたはずの収入のこと。

さらに補償の範囲は、以下の2通りに分かれます。詳しく見ていきましょう。

契約の車に乗車中の事故のみ補償

契約の車を運転している際に発生した事故のみ人身傷害補償が受けられる、いわゆる“限定プラン”です。補償の範囲が限定されるため、比較的割安な保険料で付帯できます。

自動車事故全般を補償

タクシーやバスなども含む、契約以外の車に乗車中の事故や歩行中に起きた事故など、自動車事故ならどんな場面でも補償が受けられるのが、通常の人身傷害補償の対象範囲となっています。

シーンを問わず、すべての自動車事故に対して補償が受けられるため安心度は高くなりますが、その分補償範囲がかなり広くなるため、保険料は割高となります。

 

日常的に家族がどのような移動手段を使うケースが多いか、また他に加入中の傷害保険や生命保険から補償が受けられないかなどを考慮して、補償内容がかぶらないように対応するのが大切です。

保険金額はいくらに設定すれば良い?

一般的に人身傷害補償の保険金額は、最低補償金額の3,000万円に設定する人が多いです。

とはいえ、契約者の年齢や扶養家族の有無などに応じて、推奨される保険金額の目安は異なります。

それ以外にも人身傷害補償の保険金額を決める際に考慮しておきたい事項が3つあるので、それぞれ見ていきましょう。

もらい事故の場合は相手の保険から補償される

人身傷害補償は、過失割合に関係なく自分側の損害に対する補償を受けられる保険です。もらい事故の場合は、たとえ相手が無保険車であっても、最低限自賠責保険からの補償は受け取れます。以下、自賠責保険の補償内容を見てみましょう。

 

自賠責保険の支払事由 補償内容 支払限度額
傷害 治療費、休業損害、慰謝料など 120万円
後遺障害 逸失利益、慰謝料など 75~4,000万円(介護の等級により異なる)
死亡 葬儀費(100万円)、逸失利益、慰謝料など 3,000万円

※参考:国土交通省|自賠責保険ポータルサイトより

 

またその他にも相手が任意保険に加入していれば、対人賠償保険からも補償を受けられます。対人賠償は多くの場合「無制限」で設定されるケースが多いです。つまり過失割合が10:0のもらい事故のケースでは、人身傷害補償を使う可能性は低くなるでしょう。

ただし示談交渉が長引き、相手側からの保険金が長期間にわたり支払われずにいる場合には、人身傷害補償からの保険金が受け取れないか、加入中の保険会社に相談も可能です。

保険金額を大きく設定しても意味がない?

人身傷害補償は、あくまでも「実損額」しか支払われません。また、実損額の基準は保険会社が定めるものであり、実際に支払った金額がすべて支払われるわけでもありません。

保険金額を大きくしすぎても、必ずしもその金額の上限まで受け取れるとは限らないため注意が必要です。

保険金が支払われない事例もある

人身傷害補償では、過失割合に関わらず保険金が受け取れると説明しましたが、下記のような例では保険金が支払われない場合もあります。

 

  • 無免許や酒気帯びによる事故
  • 故意による事故(あおり運転も含む)
  • 競技などに使用したときに起きた事故
  • 地震、噴火、津波による事故 など

 

自然災害による事故や、当たり前ではありますが交通違反をして発生した事故に対して保険金は支払われないため、注意しましょう。

搭乗者傷害保険との違いは?

任意保険には、人身傷害とよく似た補償内容の「搭乗者傷害保険」もあります。

搭乗者傷害保険との違いについてよく分からないという人も多いのではないでしょうか。

ここでは、「人身傷害」と「搭乗者傷害」の補償内容の違いについて解説いたします。

https://sonpo.jitensha-hoken.jp/passenger-accident-insurance/

保険金を受け取れる時期が違う

人身傷害補償は実損額が支払われるため、実損額を把握できる状況になってからでないと保険金を受け取れません。

しかし搭乗者傷害は、一定の条件を満たせばすぐに、あらかじめ設定された保険金が支払われるため、実際に治療にかかる費用などにそのまま保険金を充てられます。

このように「保険金を受け取れる時期の違い」は、大きなポイントだといえるでしょう。

受け取れる金額が違う

人身傷害補償ではあらかじめ設定した保険金額を上限として、実損額が支払われます。そのため損害額によっては1,000万円単位の一時金が支払われることも。

しかし搭乗者傷害は、ケガの状態(入院日数)に応じて、およそ1~10万円程度の一時金しか支払われません。死亡・高度障害の場合は、あらかじめ設定した保険金額(一般的には500~3,000万円の範囲内)を受け取れますが、その場合、人身傷害補償からも保険金はおりるため、補償を大きくし過ぎないように注意が必要です。

補償の対象となる事故が違う

人身傷害で一般タイプと呼ばれる「自動車事故全般」の補償を受けられる契約の場合は、補償の対象となる事故が異なります。

搭乗者傷害では、あくまでも「契約の車に乗車中に起きた事故」のみ補償が受けられます。人身傷害補償の一般タイプを契約していても、バスやタクシーなど他の車に乗車中の事故の際は、搭乗者傷害からの補償は受けられません。

対人賠償保険との違いは?

対人賠償保険からも同乗者に対して保険金が支払われるケースがありますが、対人賠償の補償対象はあくまでも「他人」です。

同乗者であっても自分や家族以外の友人や知人などであれば、対人賠償保険から優先して補償を受けることになります。対人賠償は無制限に設定するケースがほとんどなので、その場合、人身傷害からの補償を必要とする可能性は極めて低いと考えられます。

 

つまり、人身傷害補償特約から他人に対する補償は考えなくても良い点に注意しましょう。

https://sonpo.jitensha-hoken.jp/liability-insurance/

人身傷害補償特約の賢い考え方

人身傷害補償はどのように考えて保険金額や補償の有無を設定すれば良いのでしょうか。

ここまで解説してきた内容も踏まえた上で、賢い補償の考え方についてチェックしてみましょう。

死亡時の補償とは切り分けて考える

人身傷害補償特約を利用する場面で考えられる、もっとも大きな損害は「死亡・高度障害」の場合です。しかし生命保険に加入している人は、死亡・高度障害時における補償に関しては、すでに十分備わっている可能性が高いと考えられます。

その場合、死亡・高度障害時の補償とは切り分けて考え、ケガによる損害のみを考慮して保険金額を設定すると良いでしょう。

 

参考までに、休業損害額の計算方法は「1日あたりの基礎収入 × 休業日数」となります。

1日あたりの基礎収入額は、事故発生前の3ヶ月間の収入をすべて足して90日で割る計算方法が一般的です。(職業別に計算式が異なります)

 

なお、休業損害は仕事をしていない専業主婦の方でも受け取れます。

例えば夫婦で車に乗ることが多いといった場合には、最低限夫婦2人分の補償が確保できるように保険金額を設定すると良いでしょう。

補償が重複しないか確認する

任意保険の人身傷害補償は、すでに加入中の生命保険や医療保険と、補償が重複する可能性が大いに考えられます。任意保険は自動車事故の場合のみ補償されるのに対し、生命保険はケガや死亡の理由を問わず、要件を満たせば保険金が支払われるからです。

 

また、バイク保険や自転車保険といった任意保険との重複も考えられます。

補償を大きくしすぎても、設定した保険金額すべてを受け取れるわけではありません。それどころか保険料を多く払いすぎることになるため、契約の際には他に加入している保険の内容をしっかりと確認しましょう。

まとめ

今回は人身傷害補償について、補償の内容や考え方、搭乗者傷害との違いを詳しく解説しました。

 

人身傷害補償は「対人賠償保険」や「搭乗者傷害補償」をはじめ、生命保険やバイク保険といった補償と内容が重複しやすく、保険金額の正しい設定の仕方が分かりづらい特約でもあります。

 

基本的には年齢や扶養家族の有無、年収以外、他の保険の加入状況などを考慮した上で保険金額を設定しましょう。

そのとき、人身傷害補償は「実損額」しか支払われない点や、もらい事故の場合は相手側の自賠責や対人賠償保険からも補償が受け取れる点に注意してください。

任意保険の記名被保険者とは?契約者との違いと変更の際の注意点を解説

任意保険には契約者の他に「記名被保険者」という名義人の申告が必要です。契約者との違いを理解せず誤った手続きを行うと、いざというときに告知義務違反とみなされ、保険金が降りないことも考えられます。それだけでなく、保険料や等級に影響を及ぼすことも。そのため正しく理解した上で、適切に申告しなければなりません。

 

今回は任意保険の記名被保険者について、契約者との違いや変更時の注意点を詳しく解説していきます。いずれも任意保険への加入を検討している人からすでに加入中の人まで知っておきたい情報ですので、ぜひ参考にしてください。

 

記名被保険者とは

記名被保険者は分かりやすく言うと「家庭の中で日常的に車を使用する人」のことです。家族の中に運転者が複数いれば、その中でもっとも車を使用する頻度が高い人を記名被保険者にします。

記名被保険者を誰にするかによって保険料や等級が決まるため、自動車保険における重要人物ともいえるでしょう。

 

具体的には記名被保険者の「年齢」「免許証の色」「等級(事故歴)」の3つの要素によって、保険料率が変動します。

任意保険に必要な3つの名義

そもそも任意保険に必要な名義は、全部で3つ挙げられます。必要な名義は下記の通り。

  • 契約者
  • 記名被保険者
  • 車両所有者

複雑になりがちな「3つの名義」について、それぞれの特徴をチェックしていきましょう。

契約者

契約者とは保険会社との間に保険契約を結び、保険料の支払い義務がある人のことをいいます。加えて、更新や契約内容の変更などを行う権利を持ち合わせる人です。

記名被保険者を変更する必要が生じたときは、契約者本人から保険会社に問い合わせをして手続きを行います。

記名被保険者

前述の通り、記名被保険者は日常的に車を運転する人のことです。

また補償の中心となるのも記名被保険者。保険料や等級はもちろん、実際に補償を受ける際にも記名被保険者を中心に補償の対象が決定されます。

車両所有者

その名の通り、車を所有する人=車両所有者です。

ローンで購入した車やリース車などの場合、車検証の所有者の欄にはローン会社やディーラー、リース会社などが記載されていると思いますが、そのようなケースでは「使用者=所有者」とみなされます

これらの3つの名義はすべて異なることもありますが、特に問題はなく契約が可能です。

ただし、問題なく契約できるのはあくまでも3つの名義人がそれぞれ家族関係にあるときの話。さらに“同居の家族”という条件も加わります。

 

例えば友人から車を譲り受けるときは、車(車検証)は名義変更ができても、任意保険を譲り受けることはできませんよね。

基本的には同居の家族や配偶者であれば、3つの名義が異なっても認められるケースが多いです。反対に別居しているときは、たとえ家族であっても、名義が異なると保険に加入できない可能性があるため注意しましょう。

契約者と記名被保険者が異なるケース

契約者と記名被保険者が異なる契約は、どのような状況下で考えられるのでしょうか。

ここでは実際に起こり得るケースについて確認してみましょう。

親が保険料を払い、主に子どもが運転する場合

学生など、まだ収入が安定していない子どもが主な運転者となるケースでは、親が契約者となり、子どもが記名被保険者となることが考えられます。ただし、親子が同居していることが前提条件です。

夫が保険料を払い、妻が運転する場合

もし妻が専業主婦なら収入はないため、夫が契約者となり保険料を支払うといったケースもあるでしょう。特に子どもがいる家庭だと、妻の方が買い物や子どもの送迎などで頻繁に車を使うこともありますよね。夫が運転するのはたまの休日だけであれば、記名被保険者は妻にするのが望ましいでしょう。

記名被保険者を変更するのはどんなとき?

車の使用状況によっては、記名被保険者を変更しなければならないこともあります。その都度変更手続きをしなければ、万一のとき告知義務違反とみなされる可能性があるため注意が必要です。

以下、実際に想定される3つのケースについて解説いたします。

主に運転する人が変わったとき

契約の車を日常的に使用する人が変わったときは、必ず記名被保険者の変更手続きが必要です。ライフスタイルの変化などに伴い、主に運転する人が変わることはよくあります。うっかり申告漏れが多くなりがちな事項でもあるので、定期的に使用状況の見直しを行いましょう。

 

例1)主に親が運転していたが、免許を取得した子どもに車を譲渡し子どもが主に運転することになった(この場合、同時に車両所有者の名義変更が必要となる)

例2)夫が通勤に車を使用していたが、子どもが産まれたのをきっかけに日常的に妻が車を使うようになった

 

なお、家族内において誰が一番車を使うとは一概に言えないこともあるかもしれません。

そのようなときには保険会社に相談した上で、年齢や免許証の色などの条件が良い人を記名被保険者にすると良いでしょう。

記名被保険者が亡くなったとき

記名被保険者が亡くなった場合も名義変更の手続きが必要です。等級をそのまま同居の家族が引き継ぐこともできます。

もしくは記名被保険者が亡くなったことにより、車を運転する人がいなくなった場合には、解約手続きが必要です。

 

ただ「中断証明書」を発行しておけば、10年間等級を維持できる点には注目しておきたいところ。

通常、任意保険を解約すると、次に保険に加入する機会があった場合に、以前の等級とは関係なくまた6等級からのスタートとなります。中断証明書は、条件を満たせば保険を解約した段階での等級を、最大で10年間維持できる役割を持つ書類です。なんらかの理由で一時的に車を手放したときなど、契約中の保険会社に依頼すると無料で発行手続きが行えます。

 

今すぐには車を使う予定が無くても、将来運転する可能性のある配偶者や同居の親族に等級を引き継いでもらうことができます。

等級が低いほど保険料は割高となってしまうため、等級がある程度高い保険契約であればその分メリットも大きくなるでしょう。

例えば「いずれ子どもが免許を取得したときに、亡くなった親の等級を引き継がせたい」といったケースでは、解約ではなく中断の手続きをしておくと、将来子どもが支払う任意保険料が割安になります。

別居することになったとき

契約者と記名被保険者が別居することになったときにも注意が必要です。親子で考えられるのは、「子どもが独立する」といったケース。

別居しても未婚であれば任意保険の補償の対象に加えることは可能ですが、別居によって子どもはほとんど運転しなくなったといった場合には、記名被保険者を親に変更します。

 

その際、別居した子どもが自分の車を持ったなどの理由で親の車を運転することがなくなるようであれば、「運転者限定特約」や「年齢条件」といった補償範囲の見直しも忘れずに行いましょう。

記名被保険者を変更する際の注意点

記名被保険者の変更時にはいくつか注意すべき点があります。

ここでは、記名被保険者を変更する際の注意点について、確認していきましょう。

告知義務違反に注意

日常的に車を運転する人が変わるというのは、ライフスタイルの変化に伴いよく起こり得ることです。しかし、例えば「妻が日常的に運転することになったが、夫の方が条件が良く保険料が割安になるから」といった理由で変更手続きをせずにいたとします。

 

こうした行為を「告知義務違反」と言い、告知義務違反が発覚すると補償を受けられないだけでなく、契約解除などといったペナルティを科される可能性があるため注意しましょう。

補償の範囲に注意

記名被保険者が変わると年齢条件や運転者限定特約など、補償の範囲も変更になる可能性が高いです。

記名被保険者を変更する際には、あわせて契約内容を確認し、必要があれば補償の範囲も忘れずに見直ししましょう。

等級の引き継ぎに注意

例えば親から子どもに対して車と保険をセットで譲渡する場合、等級の引き継ぎは別居するとできなくなってしまう点に注意が必要です。

 

等級の引き継ぎができるのは、あくまでも「配偶者または同居の親族のみ」となっています。等級の引継ぎを考えている人は、子どもと同居している間に変更手続きを済ませましょう。

なお、住民票の住所を変えなければ大丈夫ということではなく、保険の場合は実態で判断されるため、その点も勘違いしないよう注意してください。

まとめ

今回は任意保険の記名被保険者について、契約者との違いや変更時の注意点を詳しく解説しました。

契約者と記名被保険者の違いを理解して、契約の内容に誤りがないように注意しましょう。

契約内容と事実の相違が発覚すると「告知義務違反」とみなされ、保険会社からのペナルティを受けることにもなりかねません。せっかくの保険も補償が受けられなければ無意味となるので、車の使用状況などは定期的に見直しを行うことをおすすめします。

 

不明点があるときは、保険会社に問い合わせて相談してみると良いでしょう。

契約内容をしっかりと理解した上で、間違いのないよう正しく任意保険に加入して、万一に備えてくださいね。

任意保険とは?車の任意保険と自賠責保険の違いを詳しく解説

車を運転するすべての人が加入を検討してほしい「任意保険」。

しかし、任意保険というだけあって、「加入しなくてもいいのでは?」と考える人もいるのではないでしょうか。

車の保険には「自賠責保険」「任意保険」の2種類があります。自賠責保険は法律で加入が義務付けられているため強制加入となりますが、実は自賠責保険だけでは、いざというときに受けられる補償が足りなくなるのです。

それでは自賠責保険で受けられる補償と任意保険の内容にはどのようなところに違いがあって、どのような補償が足りないのでしょうか。

今回は自動車の任意保険について、自賠責保険との違いと任意保険に加入すべき理由を詳しく解説していきます。任意保険への加入を悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

任意保険とは

一般的に任意保険は、車を保有するすべての人に加入が推奨されている自動車保険のことを指します。任意保険のなかには「自転車保険」や「バイク保険」なども挙げられ、それぞれに適した補償が提供されています。

もちろん車の任意保険は、自動車事故の補償に適した保険です。車で事故を起こした際、相手のケガなどは自賠責保険からも補償が受けられますが、補償範囲や補償額には制限があるため、補償を上乗せできる任意保険への加入が推奨されています。

任意とはいえ、自動車保険の加入率は全国で「88.3%(※)」にものぼり、およそ9割のドライバーが任意保険に加入していることが分かります。

任意保険に加入していないと、事故による損害賠償金の支払いなどができず、相手側に迷惑をかけることにもなりかねません。もちろん、自分や家族など大切な人を守るためにも必要となるので、もはや「任意保険に入らない」という選択肢はないと考えたほうが良いでしょう。

(※)対人賠償の普及率、共済の加入率も含む
参考:損害保険料算出機構「2020年3月末 自動車保険の概況」より

任意保険の補償内容

任意保険の補償内容は「相手への補償」「自分または同乗者への補償」「自分の車の補償」の大きく3つに分けられます。

ここでは、それぞれの補償内容について詳しく解説していきます。おすすめの補償金額も合わせてチェックしていきましょう。

賠償責任保険(相手への補償)

賠償責任保険には、「対人賠償」「対物賠償」の2つが挙げられます。

どちらも相手側に対する賠償責任として、大変重要な役割を果たしてくれる保険です。

対人賠償保険

対人賠償保険では車の事故によって、相手を死亡または負傷させ、法律上の賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。

対人賠償は治療費や慰謝料などが高額となるケースが多いため、保険金額は「無制限」とするのがおすすめです。

対物賠償保険

対物賠償は、相手側の車や所有物などを損傷してしまった場合の損害賠償保険です。

必ずしも相手がいる事故に限らず、例えば単独事故により公共物を破損してしまった場合にも、対物賠償保険から補償が受けられます。こちらも万が一に備えて保険金額は「無制限」をおすすめします。

傷害保険(自分または同乗者への補償)

傷害保険は主に自分のために用意する補償です。全部で4種類あり、それぞれ受けられる補償の内容が異なります。基本補償に含まれるケースとそうでないケースがあるため、契約前に補償内容を確認しましょう。

人身傷害保険

自分や同乗者が死亡またはケガを負った場合に、治療費や休業損害などの補償が受けられる保険です。原因は問わず自動車事故による損害であれば、過失割合に関係なく保険金が支払われます。

同乗者に誰を想定するのか、また死亡とケガ両方に備えるかなど、想定する使い道によっても保険金額の設定の仕方は異なります。一般的には3,000万円に設定する人が多く、無制限まで幅広く保険金額を設定できますが、別途死亡保険に加入している人は、死亡時の補償内容と被らないように注意しましょう。

搭乗者傷害保険

搭乗者傷害では、契約中の車に同乗していた人が死亡またはケガを負った場合に補償が受けられます。

人身傷害保険との違いは、「保険金が支払われるタイミングが異なる」といった点です。

搭乗者保険は入院または通院の日数が5日を超えた時点で一定額の保険金が支払われるため、人身傷害保険よりも早く保険金が受け取れるといったメリットがあります。

 

また人身傷害の場合、自分や家族が歩行中に車の事故に巻き込まれたときにも補償がおりますが、搭乗者傷害は契約車を運転中の事故のみ補償が受けられるといった点にも違いがあります。

 

人身傷害保険と搭乗者傷害保険の2つは、補償内容が重複する可能性がある上に、補償を手厚くしすぎると保険料が割高となる傾向にあるのが特徴です。それぞれ必要な補償のみを考慮したうえで慎重に選びましょう。

自損事故保険

自損事故=相手がいない単独事故の場合、事故の現場によっては対物賠償保険からの補償が受けられません。

たとえば、自宅の車庫に車をぶつけたときなど、単独事故により自分の所有物が損傷した場合には、自損事故保険から保険金が受け取れます。

 

自損事故保険は保険会社によって、契約に自動で付帯されるケースが多い補償です。

自分が加入する保険には自動付帯されるかどうか、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

無保険車傷害保険

万が一事故を起こした相手が任意保険に加入していなかった場合には、「無保険車傷害保険」から保険金が支払われます。

多くのドライバーが保険に加入しているとはいえ、任意保険の未加入車がいるのも事実。また、ひき逃げなど相手が不明な事故の場合にも補償が受けられるため、加入しておくと安心です。

こちらも基本の補償に自動付帯されているケースがほとんどですが、契約前に補償内容を確認しておきましょう。

車両保険(車の補償)

車両保険に加入すれば自損・他損を問わず、自分の車が損傷した場合に補償が受けられます。ただし車両保険を付帯すると一気に保険料が高くなるので、付けるか付けないかの見極めは重要だといえるでしょう。

 

「車両保険はつけたいけど、保険料は抑えたい」という人は免責金額を設定するのがおすすめです。事故により車に修理の必要性が生じた場合、あらかじめ設定した免責金額までは自腹で支払うことになりますが、その分保険料を抑えられるのが特徴です。

 

また車両保険に加入したからといって、必ずしも全額補償が受けられるとは限りません。補償される金額は車の時価額が上限となるため、場合によっては修理費用が保険金額で賄えない可能性もあります。

車両保険を使うことで等級も下がり、翌年以降の保険料が上がることも考えられるため、そうしたことも踏まえて「車両保険に加入するか否か」を検討しましょう。

その他の特約

任意保険には基本的な補償以外にもさまざまな特約があり、補償をより充実させることができます。ここではよくある特約について見ていきましょう。

弁護士費用特約

「任意保険に加入していれば、事故時の対応はすべて保険会社が行ってくれる」と思っている人は要注意です。実は、過失割合が10:0のいわゆるもらい事故の場合、自分が加入している保険会社はその事故に対して、一切介入することができません。

そうした場合には弁護士費用特約を利用すれば、弁護士に示談交渉を依頼することができます。

相手側より提示された賠償金額が正当なものかどうかの判断が難しく、トラブルに発展することもあるでしょう。不要なトラブルを避けるためにも弁護士費用特約はぜひ加入しておきたいおすすめの特約です。

ロードサービス特約

ロードサービス特約をつければ、車のトラブル時にロードサービスを受けることができます。

保険会社によっては無料で自動付帯されることもありますが、受けられるロードサービスの内容はそれぞれ異なるため、契約前に補償内容をしっかりと確認しておきましょう。

自賠責保険との違い

任意保険で受けられる補償の内容が分かったところで、続いて自賠責保険との違いについてチェックしていきましょう。

自賠責保険と任意保険の違いには「補償の範囲」「補償金額」が挙げられます。

自賠責保険の補償範囲

自賠責保険の補償範囲は、「相手側に対するケガや死亡または後遺障害」のみです。

簡単にいうと「人に対する補償」しか受けられません。また、自分に対する補償は一切ない点も自賠責保険の特徴です。

たとえば相手の車や自転車など、モノに対する補償も受けられないため、任意保険と比べて補償範囲が大きく制限されていることがいえます。

自賠責保険の補償額

続いて、補償額について見ていきましょう。

自賠責保険では、「傷害」「後遺障害」「死亡」の3つのケースごとに、受けられる補償内容が異なります。

保険金 補償内容
傷害の場合 被害者1名につき120万円まで 治療費、通院交通費、診断書の費用、休業損害、慰謝料など
後遺障害の場合 障害の程度により75~4,000万円まで 逸失利益、慰謝料など
死亡の場合 被害者1名につき3,000万円まで 葬儀費、逸失利益、慰謝料など

参考:国土交通省「自賠責保険ポータルサイト」より

このように、自賠責保険の補償範囲と補償額は限定されていることから、自賠責だけでは補償が足りないことが懸念されるでしょう。

つまり、任意保険への加入は必須だといえます。

 

任意保険の保険料は高額になることも多いため、加入をためらう人がいるかもしれません。そんな人は任意保険の賢い選び方を知っておくと、保険料を抑えつつ、いざというときの補償を充実させることができますよ。

任意保険の選び方のポイント

任意保険の賢い選び方にはいくつかポイントが挙げられます。ここでは、任意保険の選び方のポイントを解説していきます。保険料を抑えたいと考えている人も参考にしてください。

代理店型かダイレクト型か

任意保険には「代理店型」「ダイレクト型」の2種類があります。

代理店型は、保険会社との契約を仲介する担当者がおり、補償内容について対面で相談ができたり、担当者によっては事故後の保険会社とのやり取りを代行してくれたりなど、手厚くサポートしてくれるのが特徴です。

 

一方でダイレクト型は、保険会社と直接契約を交わすため仲介手数料が不要となる分、保険料は大幅に抑えられる傾向にあります。

最近では、電話やメールで不明点について詳しく教えてくれるなど、サポート体制が充実している保険会社も多く、ダイレクト型でも安心して加入できるといえるでしょう。

 

ネットからの加入で割引が受けられる保険会社も多いため、少しでも保険料を抑えたい人は、ダイレクト型の自動車保険を選ぶのがおすすめです。

どこまで補償をつけるか

任意保険は比較的自由に補償内容を設定できるため、補償を手厚くしようと思えばいくらでもできるのがメリットにもデメリットにもなり得ます。

自分に必要な補償の内容をしっかりと理解して契約すれば、無駄な補償を削ぎ落とすことができ、結果として保険料を抑えることができます。

 

「車両保険は必要か」「運転者を限定するか」など、保険料を抑えるポイントを把握して、自分に合った補償を選びましょう。

保険料の支払いは苦にならないか

一般的に月払いよりも年払いのほうが保険料は割安になります。しかし、年払いでまとめて保険料を支払うことによって家計を圧迫するのは避けたいところです。

自分に合った方法で、無理なく保険料の支払いをおこなうことが大事だといえます。

まとめ

今回は自動車の任意保険について、自賠責保険との違いと任意保険に加入すべき理由を詳しく解説しました。

自賠責保険だけでは補償内容が確実に足りないことがいえるため、車を保有するドライバーのみなさんは、ぜひ任意保険への加入を検討してください。

 

任意保険は補償内容をはじめ、年齢や等級など契約者の条件によっても保険料が大きく変動します。

費用面から任意保険への加入を躊躇している人は、「ダイレクト型保険を検討する」「補償を限定する」「無理のない支払い方法を選択する」などの方法で、保険料を抑えたり負担を軽減させたりすることを考えてみましょう。

また、同じ補償内容でも保険会社ごとに保険料率が異なるため、複数の保険会社からの見積もりを取って比較することをおすすめします。

賢く保険料を抑えて任意保険に加入し、安心のカーライフを送りましょう。