自動車保険の等級とは?知っておきたい等級の上げ方、保険料の決まり方

用語解説

「自動車保険の等級を上げるには、どうすればいいんだろう?」

「自動車保険の等級がそもそも何なのか、よく分かっていない……」

と思ったことはありませんか?

自動車保険では等級が上がれば、基本的に保険料は安くなっていきます。

ただ、自動車保険の等級の仕組みをよく知らないまま何となく入っていると、余計な保険料を払っている可能性があります。これから自動車保険に加入する方は、もしかしたら高い等級からスタートして保険料を節約できるかもしれません。

そこで本記事では、自動車保険の等級の仕組みや、等級の上げ方を解説します。

自動車保険の等級について理解し、保険料を安くしましょう。

この記事を書いた人

波風みほ

主に税金や保険に関する記事を書いています。
事前にお金について勉強してから賃貸物件を契約し、初期費用を10万円ほど削減。
お金について知っているか否かで大きく差がつくことを実感しました。
以来、マネー系メディアを中心に執筆しています。

自動車保険の等級とは

自動車保険の等級とは、一般的に「ノンフリート等級制度」のことです。ノンフリート等級制度では、1等級から20等級に区分され、等級が上がると保険料は安くなるシステム。

等級によって、保険料の割引率や割増率が決まります。

所有する車が9台以下の場合はノンフリート等級制度、10台以上になると「フリート等級制度」を適用します。

自動車保険の等級の決まり方

自動車保険の等級は、1年間に保険を使った事故の有無によって決まります。事故に遭わず保険を使わなければ、次年度に等級が上がる仕組みです。初めて自動車保険を契約する場合、6等級からスタートします。

たとえば、初めて自動車保険を契約して1年間事故がなければ、次の年は7等級。その後も事故がなく保険を使わなければ、8等級、9等級……と1年おきに昇級します。

 

等級の決定に伴い、保険料も決まります。保険料の指標となるのが、事故有係数無事故係数

事故有係数・無事故係数とは、保険料の割引率を計算する際に使う値です。それぞれの等級では、事故があった場合と無事故の場合で、割引率が異なります。6等級以下は、事故の有無にかかわらず、保険料は同額です。

自動車保険の等級を上げるには

自動車保険の等級を上げる方法は、主に以下の通りです。

  1. 安全運転を心がける
  2. 本当に保険の適用が必要か考える
  3. 複数所有新規を利用する

それぞれ解説します。

1.安全運転を心がける

等級を上げる方法の1つ目は、安全運転を心がけること。安全運転を意識して事故を起こさなければ、翌年に等級は上がります。等級が上がるほど保険料の割引率も上がるので、地道ですが確実な方法です。

2.本当に保険の適用が必要か考える

等級を上げる方法の2つ目は、本当に保険の適用が必要か考えることです。事故を起こしただけでは、等級は下がりません。自動車保険の請求をするか否かで等級が変わります。

以下を計算して比べ、判断しましょう。

  • 等級が下がってどのくらい保険料が上がるのか
  • ケガの治療費や車の修理代はどのくらいかかるのか

もし、自動車保険の請求をしなくても事故の対応ができそうなら、保険金の請求をしないのも手です。

3.複数所有新規を利用する

等級を上げる方法の3つ目は、複数所有新規を利用することです。セカンドカー割引とも言います。

複数所有新規では、以下の条件を満たした場合、2台目以降の車は7等級からスタートできます。

  • 1台目の車が11等級以上である
  • 1台目と2台目ともに、以下のいずれかに該当(自家用8車種)
    • 自家用普通自動車
    • 自家用小型乗用車
    • 自家用軽四輪乗用車
    • 自家用小型貨物車
    • 自家用軽四輪貨物車
    • 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
    • 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
    • 特殊用途自動車(例:キャンピングカー)
  • 記名被保険者が以下の場合
    • 1台目と同一※(A)とする
    • (A)の配偶者※(B)とする
    • (A)もしくは(B)の同居の家族
  • 車両所有者が以下の場合
    • 1台目の記名被保険者※(A)とする
    • (A)の配偶者※(B)とする
    • (A)もしくは(B)の同居の家族
    • 1台目の車両保有者

 

たとえば、1台目の車を夫が持っていて、妻の車に複数所有新規を適用する場合。複数所有新規を適用して、妻の車は7等級からスタートできます。

一方、複数所有新規が使えない例としては、家族と離れて暮らす子どもの場合。この場合、車両所有者の子どもが一緒に住んでいないため「(A)もしくは(B)の同居の家族」ではありません。よって、複数所有新規として契約することは不可能です。

 

ちなみに、別居していても配偶者であれば、複数所有新規を利用できます。

条件に該当するのであれば、複数所有新規を適用して保険料を下げましょう。

事故で自動車保険を使ったとき、等級はどうなる?

万が一事故に遭ってしまい、自動車保険を使ったら、等級は下がります。自動車保険では、事故を以下の3つに分類しています。

  • 3等級ダウン事故
  • 1等級ダウン事故
  • ノーカウント事故

それぞれどんな事故なのか、例を挙げて解説します。

3等級ダウン事故の例

自動車保険を使った場合、ほとんどの事故は3等級ダウン事故に該当します。事故有係数適用期間は3年です。事故有係数適用期間とは、その名の通り事故有係数が適用される期間。等級にはそれぞれ「事故有り」と「無事故」で適用される割引率が異なります。事故有係数を使って保険料を計算される期間が、3等級ダウン事故の場合は3年という意味です。

3等級ダウン事故は、具体的に以下のような場合が該当します。

  • 自分の車を壊した
  • 他人を死傷させた
  • 他人の車や物を壊した
  • 1等級ダウン、もしくはノーカウント事故に該当しない事故を起こした

もし、現在10等級であれば、翌年は7等級になります。

1等級ダウン事故の例

自動車保険を使った場合に1等級ダウンする事故は、被害が自分の車だけの事故です。事故有係数適用期間は1年。

主に以下のような事故が、1等級ダウン事故に該当します。

  • 火災・爆発
  • 盗難や落書き
  • 台風・竜巻・洪水

もし現在10等級であれば、翌年は9等級になります。

ノーカウント事故の例

ノンフリート等級制度では、事故件数として扱わないのがノーカウント事故。保険を使っても無事故の時と同じく、翌年の等級は1つ上がります。ノーカウント事故を複数起こしても、等級には影響しません。事故有係数適用期間もありません。

ノーカウント事故は、具体的に以下が当てはまります。

  • 人身傷害保険事故
  • 搭乗者傷害保険事故
  • 無保険車傷害特約事故

主に、自分や家族がケガをした場合に該当します。

自動車保険の等級の豆知識

自動車保険の等級に関して、知っておきたい豆知識を以下の通りご紹介します。

  • 等級の引継ぎができる
  • 同じ等級でも事故の有無で保険料が変わる

それぞれ解説します。

等級の引継ぎができる

自動車保険の等級は、引継ぐことができます。自分で引継ぐことも、家族に引継ぐことも可能です。

自分で引継ぐ場合は、車の買い替え時や、保険会社の変更時に適用できます。

車を買い替えた際に、自動車保険の対象となる車を変更することを「車両入替」といいます。車両入替の際には、買い替えた車によって保険料の差分を清算しなければなりません。

 

保険会社を変更する場合は、契約期間中に変更するのか、満期日で変更するのかで手続きが異なります。

契約期間中に変更する場合、契約中の保険会社・新しく契約する保険会社、両社で手続きが必要です。

満期で保険会社を変更する場合、前の保険会社への連絡は不要です。ただし、事故を起こして保険を使った場合、他社からの契約変更を受け付けない場合があります。保険会社によって条件が異なるので、満期まで時間があるタイミングで保険会社に相談しましょう。

家族に自動車保険の等級を引継ぐ場合、子どもが車を購入した時や廃車時によく使われます。

 

特に子どもの年齢が若い場合、等級の引継ぎをするとお得です。全年齢補償や21歳以上補償を適用することが多くなりますが、保険料は高く設定されています。車の運転は年齢が若いほど事故のリスクが高いため、自動車保険料も高くなりがちです。

しかし、親の等級を子どもが引継げば、高い等級からスタートできます。その分保険料も安くすることが可能です。よくある流れとしては、子どもが親の等級を引継いでから、親が新規で自動車保険に加入するパターン。トータルで考えれば、保険料が安くなります。

注意点としては、等級の引継ぎは同居していることが前提である点です。進学や就職で子どもが上京して別居している、といった場合には使えません。

 

廃車の際も等級は引継ぎができます。海外赴任・長期の入院などで、しばらく車の運転をしない場合、自動車保険も解約するケースがあります。その際には、中断証明書を発行しておけば、また自動車保険を契約する際に、以前の等級からスタート可能です。

保険会社によって、中断証明書の発行条件や、等級を維持したまま再開する条件が異なります。契約している保険会社に確認してみましょう。

同じ等級でも事故の有無で保険料が変わる

事故の有無で、同じ等級でも保険料が変わり、割引率に10~20%の差が生まれます。

たとえば以下の表を参照すると、同じ12等級でも、11等級の人が1等級上がった場合の割引率は48%。15等級の人が3等級ダウン事故を起こした場合、割引率は27%になります。

 

等級 無事故(割引率) 事故有り(割引率)
11等級 47% 25%
12等級 48% 27%
13等級 49% 29%
14等級 50% 31%
15等級 51% 33%

損害保険料率算出機構「自動車保険参考純率改定説明資料」から抜粋)

事故有係数と無事故係数、どちらが適用されるかで、金額差が大きく開きます。無事故を目指して、安全運転を心がけましょう。

まとめ

この記事では、自動車保険の等級について、主に以下を解説しました。

  • ノンフリート等級制度は20等級に分類される
  • 等級によって自動車保険料が決まる
  • 等級が上がるほど、自動車保険料が安くなる
  • 等級を上げるには、安全運転を意識する

自動車保険の料金は、可能な限り安く抑えたいもの。ご紹介したように、複数所有新規で契約・等級の引継ぎといった方法はあります。しかし、基本的には安全運転を心がけるのが一番です。

事故を起こさないように注意し、コツコツ等級を上げていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました