自動車保険で重視したい事故対応力!いい保険会社を見極めるポイントとは?

自動車保険を選ぶ際、決め手となるポイントは人それぞれ違います。

保険料や補償内容など、さまざまな比較ポイントがある中、保険会社の「事故対応力」も重要な要素です。

とはいえ、実際の事故対応は保険の契約前に体感することができません。

ではどのようにして各社の事故対応力を図ればよいのでしょうか?

今回は自動車保険で重視したいポイントの一つ、「事故対応力」について解説します。

自動車保険における事故対応力とは?

人生で交通事故を経験することは、そう何度もありません。

万が一事故が発生したとき“まず何をすべきか”、冷静に判断し対応できる人は多くないでしょう。

そんなとき、心の支えとなり得るのが保険会社の存在です。

事故対応力が高い保険会社の頼もしいサポートがあれば、初めての事故であってもスムーズに手続きを進められることでしょう。

まずは保険会社に事故の発生を伝えた際、真っ先にどのような対応をしてくれるのか?保険会社の「初動対応」が重要です。突然の事故で動転したドライバーの気持ちを落ち着かせると同時に、的確な指示やアドバイスを即座にしてくれる保険会社は頼れる存在といえます。

事故解決に至るまでの「サポート力」も、保険会社の事故対応で重視したいポイントです。

特に相手方との示談交渉について、双方が納得できる形で話し合いを進めてくれるのかといった点も保険会社の事故対応力にかかわる要素となるでしょう。

事故対応で重視すべき3つのポイント

保険会社の事故対応において重視したいポイントは主に3つあります。

自動車保険を選ぶ際、最低限意識しておきたいポイントなのでそれぞれ見ていきましょう。

1.初動対応のスピード

保険会社に事故の発生を連絡したとき、保険会社側がとる初動対応には以下のようなものが挙げられます。

  • 相手方への連絡
  • 病院への連絡(治療費の請求手続き)
  • 修理工場への連絡やレッカー車の手配
  • 代車(レンタカー)の手配

事故受付自体は「24時間365日」対応している保険会社が一般的です。しかし上記に挙げた初動対応までは24時間365日、いつでも行ってくれる保険会社ばかりではありません。

特に相手方への連絡はいち早くとってほしいものですが、夜間・休日や年末年始の対応を行っていない保険会社もあるため注意が必要です。

初動対応の稼働時間やロードサービスの拠点数などから、保険会社がどういったサポート体制を整えているのか判断しましょう。

2.事故発生~事故解決までのサポート力

初動対応だけでなく事故解決に至るまで、保険会社がどれだけサポートしてくれるかというのも重視したいポイントです。事故の解決まで最低でも2~3ヶ月、長くて1年以上かかることもあります。

保険金支払いのタイミングや必要な書類に関する説明といった基本的なサポートをはじめ、保険会社によっては臨床心理士によるメンタルケアなどの手厚いサポートを受けられるケースもあります。

事故状況や契約の内容によっては、特約を使って補償を受けられるケースもありますが、実際に特約を使えるかどうかは保険会社の提案力がカギとなることもあるでしょう。

3.保険会社との連絡頻度

サポート力と類似する点もありますが、保険会社との連絡頻度も重要です。

「今、どういった状況なのか?」「保険金支払いまでどのぐらいかかるのか?」など、事故発生から時間が経てば経つほど不安は募るもの。そうしたときに、適度なタイミングで保険会社からの連絡があると安心できます。

中には公式サイト上のマイページや公式LINE、専用アプリなどを使用した進捗状況の確認サービスを提供している保険会社もあります。特に仕事や家事で忙しく、日中保険会社からの電話を受け取りづらい人にとっては、便利に活用できるサービスとなるでしょう。

事故発生から保険会社に連絡するまでの流れ

実際に事故が起きたとき、いち早く保険会社に電話をしてしまうのはあまり好ましくありません。最低限ドライバーの義務を果たす必要があります。

ここでは事故発生から保険会社に連絡するまでの流れを簡単に見ていきましょう。

1.ケガ人の救護

もし事故の衝撃によってケガ人が出た場合には、第一にケガ人を救護しなければなりません。これは道路交通法で定められたドライバーの義務であり、事故の加害者・被害者を問わず、必ず行う必要があります。

2.二次被害の防止

二次被害の防止措置も、道路交通法で定められたドライバーの義務です。

車が動かせる状態であれば安全な場所に移動します。また三角板や発煙筒などを用いて、後続車に事故の発生を知らせることも大切です。

3.警察に連絡

警察への連絡も忘れてはなりません。通報義務も道路交通法で定められています。

警察が到着したら、聞き取り捜査や実況見分への立ち会いが必要です。

4.保険会社に連絡

事故現場に警察が到着するまでの時間が、保険会社に連絡をとる最短のチャンスです。

もし保険会社に依頼したいサービス等が決定していれば、この時点で要請しましょう。

具体例を挙げると、「事故現場駆けつけサービス」「レッカー車の手配」などです。

なお保険会社によっては、「事故受付」とレッカー手配などの「ロードサービス受付」の窓口が異なるケースもあります。

自分の車のレッカー移動をお願いしたい場合など、まずは「ロードサービス受付」に連絡するのがおすすめです。

あまり長い時間はとれないので、保険会社のスムーズな対応が求められます。

基本的に保険会社への連絡は後回しです。事故現場において“保険会社への連絡”は、ドライバーの義務ではないため必須事項ではありません。

事故が起きたときに受けられるサービスを把握し、最低限「まずはどこに連絡すべきか?」が分かるようにしておくと安心です。

事故の連絡は各保険会社の「事故受付センター」へ!

事故時の連絡先は、総合窓口とは異なるケースが一般的です。万が一の際にはどこに連絡すればよいのかは、契約時点で確認しておくことをおすすめします。

以下に各保険会社の事故受付のURLを記載しました。「事故が起きたとき、どういったサポートが受けられるのか?」についても併せて確認しておきましょう。

損保協会会員保険会社公式HP(事故受付)
あいおいニッセイ同和損保https://www.aioinissaydowa.co.jp/contact/accident/
AIG損保https://www.aig.co.jp/sonpo/service/contact#item-2146480592
共栄火災海上保険https://www.kyoeikasai.co.jp/contractor/if/index.html
セコム損保https://www.secom-sonpo.co.jp/anshinmycar/customer/
損保ジャパンhttps://www.sompo-japan.co.jp/covenanter/acontact/automobile/
東京海上日動火災保険https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/service/songai/jiko.html
日新火災海上保険https://www.nisshinfire.co.jp/contact/shokai_car.html
三井住友海上火災保険https://www.ms-ins.com/contractor/procedure/car/insurance/confirm01.html
アクサダイレクト損保https://www.axa-direct.co.jp/auto/faq/for_accident/01.html
イーデザイン損保https://www.edsp.co.jp/service/?fr=navi_service
au損保https://www.au-sonpo.co.jp/pc/otoiawase/
SBI損保https://www.sbisonpo.co.jp/car/service/24h.html
おとなの自動車保険https://www.ins-saison.co.jp/otona/contractor/accident/?cid=WHP001
ソニー損保https://www.sonysonpo.co.jp/auto/solution_rsv_contact.html
三井ダイレクト損保https://www.mitsui-direct.co.jp/response/accident/
楽天損保https://www.rakuten-sonpo.co.jp/contact/tabid/265/Default.aspx
チューリッヒ保険https://www.zurich.co.jp/car/service/emergency/

なお保険会社とのやりとり方法は、電話が主流です。しかし近年、事故受付専用アプリやLINEアプリを利用したネットでのやりとりを可能とする保険会社も増えてきました。

保険会社と専用ドラレコなどをつなぎ、事故の衝撃を検知すると保険会社の方から即座に連絡が来る「コネクティッドカーサービス」を提供する保険会社も存在します。

事故が起きたときにどういった手段で保険会社に連絡をするか、シミュレーションしておくと一層安心ですね。

事故対応を充実させる特約やサービス

保険会社のスタッフが事故現場に駆けつけてくれるわけでもなく、保険会社側と顔を合わせて話すこともないため、通常の事故対応だけでは事故対応力の満足度は図りきれないかもしれません。

以下に挙げる特約やサービスが保険に含まれていて、いざ事故が起きたときに利用できれば、事故対応の満足度は高まるでしょう。

ここでは事故対応を充実させる4つの特約やサービスについて解説します。

レッカーけん引・搬送費用サポート

事故の衝撃によって、自分の車が走行できない状態になってしまった場合は「レッカーけん引・搬送費用サポート」が役立ちます。任意保険に自動付帯されている「ロードサービス」のサービス内容に含まれているケースが一般的です。

  • レッカーの移動可能距離
  • ロードサービスの拠点数(レッカー車の出動拠点)
  • 保険会社指定の修理工場の拠点数
  • 自分や警察が手配したレッカー費用の補償可否

を重視して保険を選ぶとよいでしょう。

保険会社以外で手配されるレッカー費用が補償対象外になっていると、臨機応変の対応がしづらいため注意が必要です。

弁護士費用特約

こちら側が100%被害者となるもらい事故で、保険会社を介した示談交渉が行えない場合に役立つのが弁護士費用特約です。

慰謝料請求など、自分一人で対応するのは難しい手続きも、費用を心配することなく弁護士に依頼することができます。

宿泊・移動費用サポート

遠方で事故を起こしてしまったとき。車も動かず自宅に帰る手段がなくなってしまった、もしくは新幹線で帰らなければならないなど、高額な交通費や宿泊費がかかってしまうケース。そんな事態に役立つのが「宿泊・移動費用サポート」です。こちらはロードサービスに含まれるケースが多くあります。

中には事故現場付近で宿泊可能な宿や、最寄り駅まで行くためのタクシーなどを案内してくれる「コンシェルジュサービス」を提供している保険会社もあり、こちらもあると助かるサービスです。

事故現場駆けつけサービス

保険会社が提供するサービスの中でも近年注目を集めているのが、警備保障会社による「事故現場駆けつけサービス」です。

保険会社が提携している警備保障会社(ALSOK、セコム)のスタッフが事故現場に駆けつけ、現場の安全確保や事故相手からのヒアリング、事故状況の記録といったサポートを実施してくれます。

こちらも保険会社によってはロードサービスに含まれているサービスなので、気になる人はチェックしてみてください。

これらのサービスは保険会社の初動対応がカギとなるため、実際に利用した人のクチコミからも保険会社の事故対応力を判断することができます。保険選びの際の参考にするとよいでしょう。

保険会社によって対応可能なサポートは異なるため、いざというとき自分が欲しいと思うサービスは取り入れられるように、最低限加入予定の保険会社の補償内容は把握しておくことをおすすめします。

「事故対応力」における代理店型orダイレクト型の違い

代理店型の方が保険料が高い=事故対応力も高いと思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。むしろ事故対応力の違いは、代理店型とダイレクト型で大きく変わることはないでしょう。

大切なのは事故発生~事故解決までの間、保険会社の対応に何を求めるか?です。

例えば、事故が起きたときに警備保障会社のスタッフが駆けつけてくれる「事故現場駆けつけサービス」を魅力に感じる人は、サービスを提供している保険会社の中から保険を選ぶのがおすすめです。

保険会社との連絡を簡潔に済ませたい人であれば、ネットで進捗状況を確認できる保険がよいでしょう。

保険会社によって提供可能なサービスやサポートの内容は異なるため、事故時にどんなサポートを受けたいのか?という観点から保険選びをすると、自分に合った保険を探しやすくなるかもしれません。

まとめ:「事故対応力」で選んで満足度を高めよう!

保険会社の事故対応力が評価できるのは、実際に事故が起きてからとなります。

「初動対応」「事故解決までのサポート」「連絡頻度」をはじめとした総合的な事故対応力の違いで、保険会社に対する満足度は大きく変わることでしょう。

また「どのような対応が満足といえるか?」感じ方は人それぞれです。

事故の際どういったサポートが受けられると安心できそうかを考えた上で、自分が欲しいサービスを提供する保険会社を選ぶと満足度が高まるでしょう。

実際に事故対応を経験したドライバーのクチコミも参考にしつつ、いざというとき納得の事故対応が受けられるよう、自分に合った必要な補償を備えましょう。