任意保険とは?車の任意保険と自賠責保険の違いを詳しく解説

基本補償

車を運転するすべての人が加入を検討してほしい「任意保険」。

しかし、任意保険というだけあって、「加入しなくてもいいのでは?」と考える人もいるのではないでしょうか。

車の保険には「自賠責保険」「任意保険」の2種類があります。自賠責保険は法律で加入が義務付けられているため強制加入となりますが、実は自賠責保険だけでは、いざというときに受けられる補償が足りなくなるのです。

それでは自賠責保険で受けられる補償と任意保険の内容にはどのようなところに違いがあって、どのような補償が足りないのでしょうか。

今回は自動車の任意保険について、自賠責保険との違いと任意保険に加入すべき理由を詳しく解説していきます。任意保険への加入を悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

夏川さほ

4児の母。国内大手の生命保険会社に2年の勤務経験があり、個人や企業向けに生命保険と損害保険を販売しておりました。保険商品は内容を正しく理解するのが難しいので、わかりやすい解説を心がけています。公的保障を考慮した“本当に必要な保険”を提供したいと考え、現在FP3級取得に向けて勉強中。

任意保険とは

一般的に任意保険は、車を保有するすべての人に加入が推奨されている自動車保険のことを指します。任意保険のなかには「自転車保険」や「バイク保険」なども挙げられ、それぞれに適した補償が提供されています。

もちろん車の任意保険は、自動車事故の補償に適した保険です。車で事故を起こした際、相手のケガなどは自賠責保険からも補償が受けられますが、補償範囲や補償額には制限があるため、補償を上乗せできる任意保険への加入が推奨されています。

任意とはいえ、自動車保険の加入率は全国で「88.3%(※)」にものぼり、およそ9割のドライバーが任意保険に加入していることが分かります。

任意保険に加入していないと、事故による損害賠償金の支払いなどができず、相手側に迷惑をかけることにもなりかねません。もちろん、自分や家族など大切な人を守るためにも必要となるので、もはや「任意保険に入らない」という選択肢はないと考えたほうが良いでしょう。

(※)対人賠償の普及率、共済の加入率も含む
参考:損害保険料算出機構「2020年3月末 自動車保険の概況」より

任意保険の補償内容

任意保険の補償内容は「相手への補償」「自分または同乗者への補償」「自分の車の補償」の大きく3つに分けられます。

ここでは、それぞれの補償内容について詳しく解説していきます。おすすめの補償金額も合わせてチェックしていきましょう。

賠償責任保険(相手への補償)

賠償責任保険には、「対人賠償」「対物賠償」の2つが挙げられます。

どちらも相手側に対する賠償責任として、大変重要な役割を果たしてくれる保険です。

対人賠償保険

対人賠償保険では車の事故によって、相手を死亡または負傷させ、法律上の賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。

対人賠償は治療費や慰謝料などが高額となるケースが多いため、保険金額は「無制限」とするのがおすすめです。

対物賠償保険

対物賠償は、相手側の車や所有物などを損傷してしまった場合の損害賠償保険です。

必ずしも相手がいる事故に限らず、例えば単独事故により公共物を破損してしまった場合にも、対物賠償保険から補償が受けられます。こちらも万が一に備えて保険金額は「無制限」をおすすめします。

傷害保険(自分または同乗者への補償)

傷害保険は主に自分のために用意する補償です。全部で4種類あり、それぞれ受けられる補償の内容が異なります。基本補償に含まれるケースとそうでないケースがあるため、契約前に補償内容を確認しましょう。

人身傷害保険

自分や同乗者が死亡またはケガを負った場合に、治療費や休業損害などの補償が受けられる保険です。原因は問わず自動車事故による損害であれば、過失割合に関係なく保険金が支払われます。

同乗者に誰を想定するのか、また死亡とケガ両方に備えるかなど、想定する使い道によっても保険金額の設定の仕方は異なります。一般的には3,000万円に設定する人が多く、無制限まで幅広く保険金額を設定できますが、別途死亡保険に加入している人は、死亡時の補償内容と被らないように注意しましょう。

搭乗者傷害保険

搭乗者傷害では、契約中の車に同乗していた人が死亡またはケガを負った場合に補償が受けられます。

人身傷害保険との違いは、「保険金が支払われるタイミングが異なる」といった点です。

搭乗者保険は入院または通院の日数が5日を超えた時点で一定額の保険金が支払われるため、人身傷害保険よりも早く保険金が受け取れるといったメリットがあります。

 

また人身傷害の場合、自分や家族が歩行中に車の事故に巻き込まれたときにも補償がおりますが、搭乗者傷害は契約車を運転中の事故のみ補償が受けられるといった点にも違いがあります。

 

人身傷害保険と搭乗者傷害保険の2つは、補償内容が重複する可能性がある上に、補償を手厚くしすぎると保険料が割高となる傾向にあるのが特徴です。それぞれ必要な補償のみを考慮したうえで慎重に選びましょう。

自損事故保険

自損事故=相手がいない単独事故の場合、事故の現場によっては対物賠償保険からの補償が受けられません。

たとえば、自宅の車庫に車をぶつけたときなど、単独事故により自分の所有物が損傷した場合には、自損事故保険から保険金が受け取れます。

 

自損事故保険は保険会社によって、契約に自動で付帯されるケースが多い補償です。

自分が加入する保険には自動付帯されるかどうか、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

無保険車傷害保険

万が一事故を起こした相手が任意保険に加入していなかった場合には、「無保険車傷害保険」から保険金が支払われます。

多くのドライバーが保険に加入しているとはいえ、任意保険の未加入車がいるのも事実。また、ひき逃げなど相手が不明な事故の場合にも補償が受けられるため、加入しておくと安心です。

こちらも基本の補償に自動付帯されているケースがほとんどですが、契約前に補償内容を確認しておきましょう。

車両保険(車の補償)

車両保険に加入すれば自損・他損を問わず、自分の車が損傷した場合に補償が受けられます。ただし車両保険を付帯すると一気に保険料が高くなるので、付けるか付けないかの見極めは重要だといえるでしょう。

 

「車両保険はつけたいけど、保険料は抑えたい」という人は免責金額を設定するのがおすすめです。事故により車に修理の必要性が生じた場合、あらかじめ設定した免責金額までは自腹で支払うことになりますが、その分保険料を抑えられるのが特徴です。

 

また車両保険に加入したからといって、必ずしも全額補償が受けられるとは限りません。補償される金額は車の時価額が上限となるため、場合によっては修理費用が保険金額で賄えない可能性もあります。

車両保険を使うことで等級も下がり、翌年以降の保険料が上がることも考えられるため、そうしたことも踏まえて「車両保険に加入するか否か」を検討しましょう。

その他の特約

任意保険には基本的な補償以外にもさまざまな特約があり、補償をより充実させることができます。ここではよくある特約について見ていきましょう。

弁護士費用特約

「任意保険に加入していれば、事故時の対応はすべて保険会社が行ってくれる」と思っている人は要注意です。実は、過失割合が10:0のいわゆるもらい事故の場合、自分が加入している保険会社はその事故に対して、一切介入することができません。

そうした場合には弁護士費用特約を利用すれば、弁護士に示談交渉を依頼することができます。

相手側より提示された賠償金額が正当なものかどうかの判断が難しく、トラブルに発展することもあるでしょう。不要なトラブルを避けるためにも弁護士費用特約はぜひ加入しておきたいおすすめの特約です。

ロードサービス特約

ロードサービス特約をつければ、車のトラブル時にロードサービスを受けることができます。

保険会社によっては無料で自動付帯されることもありますが、受けられるロードサービスの内容はそれぞれ異なるため、契約前に補償内容をしっかりと確認しておきましょう。

自賠責保険との違い

任意保険で受けられる補償の内容が分かったところで、続いて自賠責保険との違いについてチェックしていきましょう。

自賠責保険と任意保険の違いには「補償の範囲」「補償金額」が挙げられます。

自賠責保険の補償範囲

自賠責保険の補償範囲は、「相手側に対するケガや死亡または後遺障害」のみです。

簡単にいうと「人に対する補償」しか受けられません。また、自分に対する補償は一切ない点も自賠責保険の特徴です。

たとえば相手の車や自転車など、モノに対する補償も受けられないため、任意保険と比べて補償範囲が大きく制限されていることがいえます。

自賠責保険の補償額

続いて、補償額について見ていきましょう。

自賠責保険では、「傷害」「後遺障害」「死亡」の3つのケースごとに、受けられる補償内容が異なります。

保険金 補償内容
傷害の場合 被害者1名につき120万円まで 治療費、通院交通費、診断書の費用、休業損害、慰謝料など
後遺障害の場合 障害の程度により75~4,000万円まで 逸失利益、慰謝料など
死亡の場合 被害者1名につき3,000万円まで 葬儀費、逸失利益、慰謝料など

参考:国土交通省「自賠責保険ポータルサイト」より

このように、自賠責保険の補償範囲と補償額は限定されていることから、自賠責だけでは補償が足りないことが懸念されるでしょう。

つまり、任意保険への加入は必須だといえます。

 

任意保険の保険料は高額になることも多いため、加入をためらう人がいるかもしれません。そんな人は任意保険の賢い選び方を知っておくと、保険料を抑えつつ、いざというときの補償を充実させることができますよ。

任意保険の選び方のポイント

任意保険の賢い選び方にはいくつかポイントが挙げられます。ここでは、任意保険の選び方のポイントを解説していきます。保険料を抑えたいと考えている人も参考にしてください。

代理店型かダイレクト型か

任意保険には「代理店型」「ダイレクト型」の2種類があります。

代理店型は、保険会社との契約を仲介する担当者がおり、補償内容について対面で相談ができたり、担当者によっては事故後の保険会社とのやり取りを代行してくれたりなど、手厚くサポートしてくれるのが特徴です。

 

一方でダイレクト型は、保険会社と直接契約を交わすため仲介手数料が不要となる分、保険料は大幅に抑えられる傾向にあります。

最近では、電話やメールで不明点について詳しく教えてくれるなど、サポート体制が充実している保険会社も多く、ダイレクト型でも安心して加入できるといえるでしょう。

 

ネットからの加入で割引が受けられる保険会社も多いため、少しでも保険料を抑えたい人は、ダイレクト型の自動車保険を選ぶのがおすすめです。

どこまで補償をつけるか

任意保険は比較的自由に補償内容を設定できるため、補償を手厚くしようと思えばいくらでもできるのがメリットにもデメリットにもなり得ます。

自分に必要な補償の内容をしっかりと理解して契約すれば、無駄な補償を削ぎ落とすことができ、結果として保険料を抑えることができます。

 

「車両保険は必要か」「運転者を限定するか」など、保険料を抑えるポイントを把握して、自分に合った補償を選びましょう。

保険料の支払いは苦にならないか

一般的に月払いよりも年払いのほうが保険料は割安になります。しかし、年払いでまとめて保険料を支払うことによって家計を圧迫するのは避けたいところです。

自分に合った方法で、無理なく保険料の支払いをおこなうことが大事だといえます。

まとめ

今回は自動車の任意保険について、自賠責保険との違いと任意保険に加入すべき理由を詳しく解説しました。

自賠責保険だけでは補償内容が確実に足りないことがいえるため、車を保有するドライバーのみなさんは、ぜひ任意保険への加入を検討してください。

 

任意保険は補償内容をはじめ、年齢や等級など契約者の条件によっても保険料が大きく変動します。

費用面から任意保険への加入を躊躇している人は、「ダイレクト型保険を検討する」「補償を限定する」「無理のない支払い方法を選択する」などの方法で、保険料を抑えたり負担を軽減させたりすることを考えてみましょう。

また、同じ補償内容でも保険会社ごとに保険料率が異なるため、複数の保険会社からの見積もりを取って比較することをおすすめします。

賢く保険料を抑えて任意保険に加入し、安心のカーライフを送りましょう。

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